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クラゲの「ムチン」関節症治療に効果
理研など 動物実験で実証

 大量発生し漁業被害をもたらすエチゼンクラゲなどから抽出した糖タンパク質「ムチン」の新物質を、肌の潤い成分として知られるヒアルロン酸とともにウサギの関節に注入したところ、変形性関節症の治療に効果があったと、理化学研究所と東海大の研究チームが30日発表した。

 変形性関節症は、関節の軟骨がすり減って痛みや変形を引き起こす病気。加齢や怪我が原因で国内には約700万人の患者がいるとされる。ヒアルロン酸を関節に注入する治療は普及しはじめているが、ムチンは人工的に作ることが難しく、研究が進んでいなかった。今後、実用化に向けさらに実験を進めるほか、クラゲを有効利用するための会社を立ち上げる予定。研究グループは、人や家畜のムチンより構造が単純で高い純度を維持できる「クニウムチン」をエチゼンクラゲやミズクラゲから抽出。変形性関節症にしたウサギの関節に、ヒアルロン酸と一緒に注入したところ、ヒアルロン酸だけ使うより軟骨部分の厚みが増すなど、1.6-2.6倍の改善効果があり、病気の進行を抑えられた。理研の丑田公規研究ユニットリーダーは「関節を支える粘度があるヒアルロン酸と、潤滑性が高いムチンの相乗効果ではないか」と話している。

平成21年1月31日 静岡新聞


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インフルエンザ万能ワクチン開発
厚労相研究班 「新型」予防にも期待

 あらゆるタイプのインフルエンザウイルスに効く可能性があるワクチンを厚生労働省研究班(主任研究者・内田哲也国立感染症研究所主任研究班)が29日までに開発した。動物実験で効果を確認、実用化には数年かかる見通しだが、将来大流行が懸念される新型インフルエンザ予防にも役立つ可能性があるという。

 研究班は、感染妍と北海道大、埼玉医大、化学メーカー「日油」(東京)で構成。従来のワクチンは、ウイルス粒子の表面からとげ状につき出したたんぱく質から作るが、その年流行するウイルスのタイプによってとげの形が異なる上、とげの形が変異するため、その都度ワクチンを作り直す必要があった。

 このため研究班は、ウイルス表面にあるとげに比べ変異しにくい内部のたんぱく質に着目。新型インフルエンザウイルスに変異する可能性があるH5N1と、今年流行しているAソ連型、A香港型の三種類のウイルス共通の内部たんぱく質を人工合成し、脂質の膜を付着させてワクチンを作製した。

 その上で、あらかじめ人間の遺伝子を組み込んだマウスに接種した後、三種類のウイルスをマウスに感染させたが、症状は表れなかったという。

 同様の仕組みのワクチンについては、英オックスフォード大も研究中という。

 研究班は今後、人間に接種した場合の副作用を詳しく調べる方針だが、内田主任研究官は「人工合成したたんぱく質を使っている点で、われわれの方が安全性は高いと家、一歩先を行っているのではないか。人間への安全性を確認のうえ、早期の実用化を目指したい」と話している。

平成21年1月30日 静岡新聞


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エボラ 人にも感染
フィリビン 豚で検出後、調査

 【マニラ23日共同】
フィリピンで昨年、養豚場の豚がエボラウイルスの一種に感染していた問題で、養豚関係者の一人も同ウイルスに感染していたことが23日分かった。現地で調査に当たるフィリピン保健省や国連食糧農業機関(FAO)など国際機関は、感染経路の特定に向け、さらに調べを進める。

 人と接触する機会が多い家畜への感染が世界で初めて確認されたため、専門家の合同チームが今月6日から人への感染の有無などに関する調査を実施。保健省当局者らによると、養豚場に出入りしていた関係者約50人の血液などを検査したところ、豚で見つかった「レストン」と呼ばれるタイプのエボラウイルスに一人が感染していた。発祥はしておらず、感染源が豚かどうかも不明という。

 エボラウイルスは、アフリカで時折流行する致死性のエボラ熱の原因ウイルス。ただ、レストンタイプは人への病原性がないとされ、これまで人が感染したケースで発症例は確認されていない。保健省などは、直ちに重大な事態に発展する可能性は低いとみているが、家畜から人に感染したとすれば公衆衛生上の問題があるとして、実態解明に努める。

平成21年1月23日 静岡新聞


メラミン混入に死刑
中国元酪農業者らに判決

 【北京22日共同】中国河北省石家壮市の中級人民法院(地裁)は22日、多数の乳幼児らに被害が出た汚染粉ミルク事件で、有害物質メラミンを混入させたとして公共安全危害罪に問われた元酪農業者、張玉軍被告ら3人に死刑(うち1人は執行猶予2年)を、同市の粉ミルクメーカー、三鹿集団前会長の田文華被告ら3人に無期懲役の判決を言い渡した。新華社が伝えた。

 汚染粉ミルク事件では、乳幼児ら約29万6000人が腎臓結石などにかかり、うち6人が死亡。死刑を含む今回の厳しい判決は、中国産食品に対する国内外の不信感が強まる中、中国当局が「食の安全」問題を重視していることをアピールする狙いもあるとみられる。

 22日は汚染粉ミルク事件に絡んで計21人の判決が言い渡され、ほかの15人は懲役2年−15年の実刑判決を受けた。

 検察当局によると、張被告は2007年から昨年8月にかけ、たんぱく質の含有量を高く見せかけるため、メラミンを混入した有害物質776トンを製造。仲介業者を通じ、牛乳業者に販売し、三鹿集団が粉ミルクの原料として購入していた。

 三鹿集団はメラミン検出後も汚染粉ミルクの製造、販売を続け、田被告ら経営幹部4人が劣悪品生産販売罪に問われた。

平成21年1月23日 静岡新聞

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インフルエンザ「タミフル耐性」増加
11都道府県Aソ連型の97%

 厚生労働省は16日、今冬に流行しているAソ連型のインフルエンザウイルスで、インフルエンザ治療薬「タミフル」が効かない耐性を持つタイプが高い割合で見つかったと発表した。全国11都道府県で患者から見つかった検体のうち97%が耐性だった。インフルエンザの治療薬は他にもあるが、同省は全国の医療機関に注意を呼びかける考えだ。

 人間がかかるインフルエンザウイルスは主に「A香港型」「Aソ連型」「B型」の三種類あり、Aソ連型は今冬に検出されたインフルエンザ全体の36%を占める。

 耐性ウイルスが検出されたのは、8日までに国立感染症研究所にウイルスの検体を提出した北海道、東京都、大阪府、宮城、千葉、静岡、三重、滋賀、兵庫、広島、山口各県の11都道府県。インフルエンザに感染した患者から集めた35件のウイルスを調べたところ、34件が耐性だった。残る府県も今後、調査する。同省は研究班を設置し、耐性ウイルス患者の症状などの調査に乗り出す方針だ。

 タミフルに耐性があるAソ連型ウイルスは昨冬に欧州で出現し、すでに米国やアフリカなど各地で検出されている。昨冬も日本で検出されたが、耐性の割合は2.6%にとどまっていた。

 A香港型とB型には、現時点ではタミフル耐性は確認されていない。またタミフル耐性のあるAソ連型ウイルスも、タミフルに次いで広く利用されている治療薬の「リレンザ」は有効。予防目的で摂取するワクチンの効果にも影響はないという。

 国立感染研の集計によると、今冬は15日までに671件のインフルエンザウイルスを検出。A香港型が45%を占めて最も多く、Aソ連型は36%で二番目。B型は19%だった。

平成21年1月17日 静岡新聞

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タミフル耐性ウイルス拡大
インフルエンザAソ連型 県内でも検出

 厚生労働省は16日、今冬流行しているインフルエンザのうち、二番目に多いAソ連型ウイルスで、治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスが97%を占めたと発表した。インフルエンザ全体では三分の一強に当たる。

 Aソ連型の耐性は昨冬も検出されたが2.6%と少なかった。急増の原因は不明だが、世界的にも問題になっている。厚労相によると、別の治療薬リレンザは有効で、ワクチンの効果にも問題はないとみられているという。

 同省は医療機関に対し、「流行状況や薬の効きに注意しながら、使用する薬剤を判断してほしい」と呼びかけている。また研究班を設置し、耐性ウイルスの患者の症状に何らかの特徴があるかや、海外での広がりや対応について調査を始めた。

厚労相によると、今月8日までに静岡県など11都道府県で35人分のAソ連型ウイルスを分析したところ、本県などの34検体(97%)がタミフル耐性だった。

 今冬の流行ウイルスは今月中旬現在、A香港型が最多で45%、Aソ連型が36%、B型が19%、三分の一強にはタミフルが効かない計算となる。

平成21年1月17日 静岡新聞


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