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タミフル服用 日本の子供12人死亡
米医薬品局公表 「因果関係判断は困難」


【ワシントン17日共同】
米食品医薬品局(FDA)は17日、インフルエンザ治療薬タミフルを服用した日本の子供が、2000年の承認からこれまでに12人死亡したとの報告を受けていたことを明らかにした。

18日に開く小児専門の諮問委員会で安全性を詳細に検討するが、FDAは「現時点では薬との因果関係の判断は非常に困難だ」としている。

FDAは、タミフル服用と関連した16歳以下の子供の異常について、米国で承認された昨年3月以降の報告例を製造元のスイス・ロシュ社や各国の規制当局に照会。その結果、死亡報告は日本だけだった。米メディアによると内訳は自殺一人、突然死4人、心停止4人など。幻覚や脳炎などの精神症状の中には、12歳と13歳の子供が服用後に自宅の二階の窓から飛び降りた例が含まれている。

一方、アレルギー反応のような強い皮膚症状は日本以外の国からも報告があり、死亡例や精神神経症状の多さで日本が突出した形になっていた。

FDAは精神神経症状の報告が日本に集中した理由について、タミフルの流通量の多さや、1990年代後半からインフルエンザ脳症が問題になったため関係者の関心が高く、神経症状が見つけやすかった可能性があるなどと分析している。

日本では14歳と17歳の少年が服用直後にトラックに飛び込むなどの異常行動を起こし死亡していたことが判明したばかり。

FDA諮問委員会は小児薬の安全性の定期評価が目的で、タミフル備蓄を柱とする米政府の新型インフルエンザ対策の是非には踏み込まない見通し。

平成17年11月17日 静岡新聞

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鳥インフルエンザ 中国で感染拡大
新型肺炎禍「再来」懸念も


【北京14日共同】
中国で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の感染が拡大している。省、直轄市、自治区のうち、既に5省3自治区に及び、湖南省では人への感染疑い例も。政府は感染防止策の徹底に躍起だが、2003年に大流行し多数の死者を出した新型肺炎(SARS)禍「再来」への懸念もでている。

中国では、先月19日に内モンゴル自治区で家禽への感染が確認されて以来、安徴、湖南の両省でも相次いで確認。湖南省では死亡した少女(12)を含む3人の感染疑い例が見つかったと発表された。その後も感染は遼寧、湖北両省にも拡大。遼寧省黒山県では家禽の感染確認が多数の村に及んだため、今月5日、武装警察が出動して県全体を封鎖した。香港メディアは14日、新彊ウイグル自治区でも新たな疑い例を伝えた。

「人への感染を断固として防がねばならない。」8日に黒山県を視察した温家宝首相はこう強調し、感染防止に全力を挙げる姿勢を国民にアピールした。

北京市や各省は、指定施設以外からの家禽の持ち込みや生きた鳥の売買を禁止、吉林省は渡り鳥による感染拡大を警戒して自然保護区を閉鎖するなど庶民らの生活にも影響が出ている。

平成17年11月15日 静岡新聞

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タミフルで異常行動
インフルエンザ治療薬 岐阜、愛知の2少年


 インフルエンザ治療薬タミフル(成分名リン酸オセルタミビル)をのんだ岐阜県と愛知県の患者の少年2人が、直後に異常な行動を取り死亡していたことが12日分かった。一人は昨年2月、トラックに飛び込み、もう一人は今年2月にマンション9階から転落した。

 昨年2月の事例の後に輸入販売元の中外製薬から報告を受けた厚生労働省は「薬との因果関係が否定できない異常行動による死亡例の報告は初めて」としている。

 タミフルの添付文書には重大な副作用として、意識障害、異常行動、幻覚などの精神・神経症状があらわれることがあると記載されている。新型インフルエンザ対策で国がタミフル備蓄を大幅増量を決めた直後だけに、同省は、あらためて注意喚起するかどうか検討している。

 中外製薬や、遺族から相談を受けたNPO法人医薬ビジランスセンター(大阪市)の浜六郎医師によると、昨年2月、インフルエンザと診断された岐阜県内の17歳の男子高校生は、タミフルをのんだ後、パジャマ姿で自宅を出て、ガードレールを乗り越え車道に飛び出した。今年2月には愛知県内の14歳の男子中学生が、服用後にマンション9階の自宅から転落死した。

平成17年11月12日 静岡新聞

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鳥インフルエンザ感染
中東やアフリカに警告


【ニューヨーク20日共同】
東欧のルーマニアや中東のトルコで家禽が鳥インフルエンザに感染、強毒性のH5N1型ウイルスと確認されたことを受け、国連食糧農業機関(FAO)は19日感染が渡り鳥の進路に沿って中東やアフリカ諸国に拡大する恐れが「著しく高まった」と発表した。

鳥インフルエンザがアフリカに飛び火すれば、アジア中心だった感染地域は一気に拡大。FAOは各地に根付いたウイルスが突然変異を起こし、人同士で簡単に感染する「新型インフルエンザウイルス」に生まれ変わる可能性が高まると警告している。

FAOによると、モンゴル、ロシア、カザフスタンで鳥インフルエンザ感染が見つかった後、トルコ、ルーマニアでも最近感染が確認されたことから、渡り鳥がウイルスの運び屋との見方が裏付けられた。

このままでは「北部や東部アフリカ」に感染が広がる恐れがあるが、アフリカ諸国ではトルコなどと比べ、資金不足などから効果的な封じ込め策に困難が伴うとしている。

FAOはこのため、アフリカの野鳥などへの監視を強める一方、感染拡大が懸念されるアフリカ諸国に基礎的な管理体制を構築するため、国際社会に支援を呼びかけた。

平成17年10月20日 静岡新聞

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「肥満」「高血圧」…4項目異常の人
10年後の医療費3倍


健康診断で「肥満」「高コレステロール」「高血糖」という生活習慣病の4つの予兆を指摘された人は、「異常なし」の人に比べ、10年後の医療費が3倍以上かかることが15日、社会保険庁の調査研究で分かった。

血糖値43%糖尿に
高血糖とされた人の 43%が10年以内に糖尿病になったことも判明。厚生労働省は「運動や食事で生活習慣病を予防すれば中期的に医療費を減らせることが裏付けられた。今後健診結果に基づく保健指導を充実させたい」としている。

調査は、中小企業の社員らが入る政府管掌健康保険の加入者のうち、健診受診率の高かった三重県の約2800人が対象で、中心は健診時に40代。1993年度の健診結果と2003年の診療報酬明細書(レセプト)を照合した。

それによると、93年度に@肥満度A血圧BコレステロールC血糖値とも「異常なし」だった人の03年度の医療費総額は平均14万3000円。これに対し、全ての項目で異常が指摘された人は45万1000円にのぼり、3項目だと21万8,000円、2項目だと20万円と指摘されたリスク数に比例して医療費は減少。一項目だけの人は15万1000円で、異常なしの人と大差なかった。

項目別では血糖値が「異常なし」の人は平均16万1000円だったのに、高血糖の人は27万1000円と1.7倍。高血糖の人の10年後の糖尿病の発症率は43%と「異常なし」の人の6倍に達した。

平成17年10月15日 静岡新聞
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妊婦はホンマグロ週一回
薬事食品審が目安 魚介類の水銀影響


 

魚介類に微量に含まれるメチル水銀が胎児に悪影響を与える恐れがあるとして、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の専門部会(部会長・熊谷進東京大教授)は12日、妊婦が食べても良い量の目安を16種でまとめた。1回約80グラム(刺身1人前または切り身1切れ)として、マグロは種類により週に1.2回まで。キンメダイは1回までなど。

 厚生労働省は「乳幼児も含む一般の人では、悪影響が心配される状況ではない。魚介類は一般に健康に有益なのでバランスよく摂取を」としている。同省は2003年6月に同様の注意を呼びかけたが、国際専門家会議が水銀の耐容摂取量を引き下げたため見直し、マグロも対象に加えた。

 週2回(1週間当たり160グラム程度)までとしたのはキダイ、クロムツ、ミナミマグロ(インドマグロ)など7種類。週一回(同80グラム程度)まではキンメダイ、メカジキ、クロマグロ(ホンマグロ)など七種類。クジラ類2種は2週間 2ヶ月に一回(同40〜10グラム程度)までとした。

 食べ過ぎた場合は翌週の量を減らし、二種類以上を食べるときはそれぞれの量を抑えるなどの工夫を求めた。 一方、キハダマグロ、ビンナガ(ビンチョウマグロ)、メジマグロ、ツナ缶「通常の摂取で差し支えない」とした。

 自然界のメチル水銀は、魚介類に蓄積され人の体内に取り込まれると、大人には問題ない量でも胎児に悪影響を与えることがある。しかし同省は、「胎児への影響は将来の社会生活に支障があるような重篤なものではない」としている。

 限度量は、魚介類に含まれる平均メチル水銀量と、内閣府食品安全委員会がリスク評価して示した妊婦の耐容摂取量(一週間に体重1キログラム当たり2マイクログラム=マイクロは百分の一)から定めた。


妊婦が魚介類を食べる場合の目安
1回約80グラム食べるとした場合の頻度

2ヶ月に1回まで
(1週間あたり10グラム程度まで)
バンドウイルカ
2週間に1回まで
(1週間当たり40グラム程度まで)
コビレゴンドウ
週に1回まで
(1週間当たり80グラム程度まで)
キンメダイ
メカジキ
クロマグロ(ホンマグロ)
メバチ(メバチマグロ)
エッチュウバイガイ
ツチクジラ
マッコウクジラ
週に2回まで
(1週間あたり160グラム程度まで)
キダイ
クロムツ
マカジキ
ユメカサゴ
ミマミナグロ(インドマグロ)
ヨシキリザメ(筋肉)
イシイルカ
通常の摂取で差し支えない キハダマグロ
ビンナガ(ビンチョウマグロ)
メジマグロ
ツナ缶
平成17年8月13日 静岡新聞
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食料自給率40%
04年度7年連続横ばい


 

農水省は10日、2004年度の総合食料自給率が供給熱量(カロリー)ベースで40%だったと発表した。1998年度以来7年連続の横ばい。

 台風の影響などで大豆、果実などの生産が減少し、自給率を押し下げたが、米国の牛海綿状脳症(BSE)発生の影響で牛肉の輸入、消費が減少したため、全体としては横ばいとなった。

 同省は「変動要因があり小数点以下の公表は意味がない」(総合食料局)としているが、同日発表の食料需給表から算出すると、04年度は前年比0.2ポイント低下し39.5%となり、2年連続で40%を割り込んだ。

 年間の一人当たり消費量は、豚肉が牛肉の輸入減の代替で増え、大豆も豆乳人気で伸びた。鶏肉は鳥インフルエンザ発生の影響で減少。コメは0.4キログラム減り、61.5キログラム。国内生産量はサツマイモ、海藻類などが増加した。

 食料自給率は食生活の洋風化を背景に減少が続いている。政府は2010年度までに45%まで引き上げる目標を立てたが足踏み状態。今年3月、目標を15年度に先送りした。 

 

平成17年8月11日 静岡新聞
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04年度概算医療費 過去最高31兆4000億円
高齢者初の40%台


 厚生労働省は10日、2004年度の概算医療費が過去最高の31兆4000億円に上ったと発表した。03年度の30兆8000億円に比べ、2.0%増。02年度は診療報酬引き上げの影響で前年度から減少したが、03年、04年度は2年連続で増加した。

 このうち70歳以上の高齢者医療費は前年度比3.8%増の12兆8000億円。4年連続の増加で概算医療費全体の40.6%を占め、初めて40%台となった(03年度は39.9%)。一人当たりの高齢者医療費は73万9000円で2年連続の増加。国民一人当たりの医療費は24万6000円で、前年度に比べ、2.0%増えた。飲料種類別の医療費では、対前年度比7.8%増の4兆2000億円だった調剤の伸びが目立った。 

 

平成17年8月11日 静岡新聞
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コラーゲンとNAGを同時に投与 関節軟骨に治癒効果
焼津水産化学工業 鳥取大と共同開発 新商品開発に期待


 

焼津水産化学工業は25日、同社の新素材研究チームと鳥取大農学部臨床獣医学科の南三郎教授との共同開発で、海洋性コラーゲンペプチド(コラーゲン)とN-アセチルグルコサミン(NAG)の同時投与が関節軟骨や腱(けん)の損傷の治癒効果を飛躍的に高めることを確認したと発表した。
 
 同社によると両物質の併用による相乗効果が確認されたのは初めて。NAGは関節の機能維持を目的にした健康飲料、コラーゲンは美容目的の食品などに利用されてきたが、両物質を配合した製品はこれまでなかった。同社は「新しい商品開発が可能になるのではないか」(新素材開発部) としている。

 実験では、ウサギの大腿骨関節軟骨に損傷を与え、1日1.2グラムのコラーゲン、1.0グラムのNAGを同時に経口投与し、2週間後に関節軟骨の状態を調べた。その結果、コラーゲンとNAGを同時に投与した群れは、投与しなかった群れに比べて軟骨細胞が著しく増え、軟骨の再生が認められた。また、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などの軟骨成分も増えていた。

平成17年7月26日 静岡新聞
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04年平均寿命は過去最高
女性85.59歳、男性78.64歳


 

2004年の日本人女性の平均寿命は85.59歳で20年連続で長寿世界一になったことが22日、厚生労働省が公表した簡易生命表で分かった。男性の78.64歳も世界第2位で、男女とも過去最高を更新した。

 平均寿命は前年に比べ、女性が0.26歳、男性が0.28歳延びた。男女差は0.02歳縮まり、6.59歳。海外の平均寿命は、女性の2位が香港の84.3歳(03年)で、次いでスイス、フランス。男性の1位はアイスランドの78.8歳(01-04年)で、3位に香港の78.5(03年)が入り、スウェーデン、スイスが続いた。

 日本の女性は、1985年に80.48歳とアイスランドを抜いてから1位を維持。男性は03年は3位だった。04年生まれの赤ちゃんが80歳まで生きる割合は女性が78.8%、男性は55.2%。半数が生存する年齢は女性88.34歳、男性81.57歳で、男性は傘寿までしか迎えられないが、女性は米寿を迎えることができそうだ。

 零歳時の将来の死因は30年以上にわたって男女とも@ガンA心疾患B脳血管疾患C肺炎・・・の順で予想されてきたが、今回初めて男児で肺炎が脳血管疾患を抜いた。@-Bの三大死因を克服した場合は平均寿命がさらに延び、女性は93.53歳、男性は87.38歳になると予想している。

平成17年7月23日 静岡新聞

ディーゼル毒性正体解明
環境研など共同研究 生殖機能に悪影響も


  ディーゼル車から出る粒子(DEP)に含まれ、血圧低下や心拍の異常などを引き起こす化学物質の正体が、ニトロフェノール類と呼ばれる物質であることを、国立環境研究所、北海道医療大、東京農工大などの共同研究グループが21日までに突き止めた。

 ニトロフェノール類は血圧低下などを起こすほか、生殖機能に悪影響を及ぼすホルモンに似た働きを持つことも判明。今後、ディーゼル車に対する規制強化を求める声が高まりそうだ。

 ディーゼル粒子には発がん物質などが含まれていることが分かっているが、血圧などに影響を及ぼす物質の正体は長年の謎だった。

 グループは、DEPに含まれる多数の化学物質をさまざまな溶剤などを使って分けながら、血圧低下などを引き起こす物質の抽出に成功。構造解析によって、この物質が3-メチル-4-ニトロフェノール(PNMC)などのニトロフェノール類であることを突き止めた。

 PNMCは、日本など各国で広く使われている有機リン系のフェニトロチオンなどの農薬が分解されることによっても発生することが知られており、大気中などからも広く検出される。

※ディーゼル粒子
ディーゼル車の排ガスに含まれる黒煙の正体で、炭素の小さな粒子の周囲にさまざまな化学物質が付着している。ぜんそくやアレルギー、肺がんなどの発症のほか、心電図や血圧の異常、流産の増加、精子数の減少など多くの動物実験で指摘されてきた。最近では粒径が非常に小さく、肺から血液中に間で入り込む微小粒子による汚染や生物への影響も注目されている。

平成17年7月21日 静岡新聞
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動物からの伝染病増加
新しい疾病の4分の3


  米国科学アカデミーの国内研究審議会が動物からヒトに伝染する疾病に対し、獣医の数が不足し行政組織間の協力も不十分でないと指摘、改善を求める2件の調査報告を発表した。

 動物からの伝染病の実態をまとめたミシガン州立大獣医学部のロニー・キング学部長は「2003年に米国民はサル痘(モンキーポックス)と西ナイルウイルス、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の3種類の伝染病に見舞われた。いずれも過去には存在していなかったものだ。過去20年間から30年間に見つかった新しい疾病の4分の3は動物に起因するものだ」と警告している。

 人間が野生動物の生息地に侵入していき、食品や農産物のグローバル化や気象変化、バイオ・テロリズムと合わせ、船舶や航空機が世界各地に頻繁に出入りすることによって、動物からヒトに感染する病気は将来いっそう増えると報告書はいう。

 その対策としては個人と地方行政、国家機関とが密接な協力関係を構築することが肝要と説いている。例えば、農務省と国土安全保障省が協力し合って早期発見のための道具やテスト方法、治療法を開発すべきだとしている。

 別の調査である「獣医学研究のための必要事項」は獣医や獣病理学者の数が減少傾向にあると指摘している。テキサス農工科大のジム・ウォーマック獣病理学教授は「卒業後の初任給が8万ドル(880万円)では、もう3年間の博士課程に引き止めるのは難しい」という。

 同教授は「予算と研究設備も不足している。生物汚染を研究する最高クラスの研究所は米国に1ヶ所しかない」と話している。(ワシントン)

平成17年7月20日 静岡新聞
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抗酸化作用強い物質  屋内培養で安全供給
アスタキサンチン健康食品分野に進出


  ヤマハ発動機は6日午前、天然由来の物質の中でも特に抗酸化作用が強いとされる「アスタキサンチン」を高品質で安定供給できる世界初の屋内培養による量産体制を確立し、健康食品分野に進出すると発表した。バイオ事業の新たな展開としてサプリメントや食品、化粧品メーカーにアスタキサンチンの原料を供給する事業として年内に限定発売、来年10月から本格発売を開始する。

 アスタキサンチンは微細藻類のヘマトコッカス藻類などに含まれる抗酸化成分。抗炎症作用、免疫力の強化、シミ、しわなどの皮膚の老化抑制のほか、筋肉疲労の改善などに効果があると期待され、健康食品やスポーツ、美容市場などでも注目されている。ヤマハ発はヘマトコッカス藻を人工光や高度な流体制御技術を使って屋内で培養する世界初の生産システム「ヤマハ高効率バイオリアクター」を開発した。

 都内で会見した梶川隆社長は「バイオ事業の発端は環境問題への取り組みで始まった。ヤマハバイオの先進技術を活用し、国内だけでなく将来はグローバルに事業展開していきたい。」と期待を述べた。

平成17年7月6日 静岡新聞
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茨城の鳥インフルエンザ 近接5施設「陽性」
抗体検査 別の5施設は安全確認


 茨城県水海道市の養鶏場「アレバメントカントウ」で死んだ鶏から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、農水省と県は28日、同施設から500-600メートルにある養鶏場5施設で、鶏から過去のウイルス感染を示す抗体陽性反応が出たと発表した。

 しかし、遺伝子検査でウイルス自体は検出されず、農水省はさらに精度の高いウイルス分離検査を行い、29日の専門化委員会で安全性や処分の必要性を検討する。

 検査は鶏肉や鶏卵の移動が禁止された半径5キロ以内の区域にある17施設のうち10施設で先行実施。残りの5施設は抗体検査、遺伝子検査とも陰性で安全が確認され、県の判断で鶏卵の出荷を再開できる。7施設も検査する。県は29日にも、アレバメントカントウの鶏の処分を終える。

 農水省によると、10施設ではそれぞれ10-20のサンプルを採取。5施設で陽性反応を示し、うち3施設では陽性反応がサンプルの半数を超えたが、死ぬ率の増加など目立った兆候はなかった。

 アレバメントカントウの生きている鶏は抗体反応は陽性だが、ウイルスは検出されなかった。農水省は「人やものの行き来で感染が広まった可能性がある。弱毒性のウイルスの為大量死がなかった」とみている。

 国の防疫指針は、鳥インフルエンザが発生した場合、半径5-30キロで鶏肉や鶏卵の移動を制限。解除には原則として発生現場の防疫措置が完了してから21日以上が必要としている。しかし、卵は毎日数が増え、山口県や大分県、京都府で昨年、鳥インフルエンザが発生した際に長期の出荷停止で損害が発生。農水省は鶏の安全が確認できれば、卵の移動制限措置を繰り上げて解除できるように指針を緩和した。

平成17年6月29日 静岡新聞
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茨城で鳥インフルエンザ
弱毒性のウイルス 養鶏場800羽死ぬ

 茨城県水海道市の養鶏場「アレバメントカントウ」で4-6月に鶏計約800羽が死に、農水省は26日、動物衛生研究所(同県つくば市)の検査で、国内初のH5N2型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。

 1951年の家畜伝染病予防法施行以来、高病原性ウイルスの検出は国内5例目。これまではいずれも毒性の強いH5N1型だったが、今回のウイルスは毒性が弱いタイプと確認された。

 養鶏場は埼玉県内や東京都内に卵を出荷しているが、農水省は「ウイルスは卵や鶏肉を介して人には感染しない」と説明している。茨城県は25日、養鶏場に出荷自粛を要請。26日夜に半径5キロ以内で鶏や卵の移動を制限する措置を取り、27日には対策本部を設置し、養鶏場で飼育する約25000羽全てを処分、鶏舎を消毒する。

 農水省によると、H5N2型は昨年12月に韓国の農場でアヒルから検出。台湾では渡り鳥から見つかった例もある。農水省や茨城県によると、養鶏場では4月に308羽、5月に268羽、6月に228羽が死んだ。産卵数も最大で通常の4割まで落ち込み、現在は8割程度に回復した。

 養鶏場は5月下旬に民間検査施設に簡易検査を以来、5羽調べて鳥インフルエンザウイルスが分離され、今月24日に検査施設が県に通報。25日から動物衛生研究所が確定検査を行い、遺伝子解析で毒性の強いタイプと確認した。

 養鶏場では現在、鳥の大量死はなく、茨城県畜産課は25日、同養鶏場と周辺10箇所を立ち入り検査したが異常はなかったという。

平成17年6月27日 静岡新聞
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米で2例目BSE
日本の輸入再開遅れも 牛肉輸入「9月上旬までにめどを」

 【ワシントン24日共同】
米農務省は24日、牛海綿状脳症(BSE)感染の疑いで再検査していた牛一頭が、英国の国立研究所の検査で最終的にBSEと確定診断されたと発表した。米国内での感染牛は二例目。昨年11月の同省による検査でいったん「シロ」と判定した牛を厳密に検査しなおしたところ、結論が覆った。

 一例目の牛はカナダ産だったが、今回は「輸入牛のの証拠はない」(農務省)とされ、米国産牛として初の感染例。米国の検査体制の信頼性にも疑念が生じかねない異例の展開を経て二例目が確認されたことで、早ければ夏ごろとされていた日本への輸入再開時期が遅れる可能性もある。

 記者会見したジョハンズ農務長官は今回の牛が生後8年以上の高齢の牛だとして対日輸出再開問題に「影響すべきではない」と強調した。

 米国で最初のBSEが見つかった2003年12月から日本は米国産牛肉の輸入を禁止しているが、両国政府は生後20ヶ月以下の若い牛に限って貿易再開を目指している。

 同省は今回の牛の発見場所を公表しなかったほか、出生地や感染経路については現時点では確認できないとし、問題の牛と同じ群れにいた牛の追跡調査を進める方針。個体識別(ID)制度が完備していない食肉管理システムの不備を裏付けた形だ。ジョハンズ長官は、今回の牛が正常に歩行できない「へたり牛」で、食品としては流通していないと重ねて指摘、「米国産牛の安全性に引き続き自信がある」と語った。

 農務省の検査をめぐっては、非公式検査で異常の兆候が出ていたにもかかわらず、放置されていたことも判明。長官は、今後疑い牛が見つかった場合、従来の免疫組織化学法に加え、より感度が高いとされ、日本などが採用している「ウエスタンブロット法」も実施することを明らかにした。

牛海綿状脳症(BSE)・・・病原体の異常プリオンが主に脳に蓄積することで、脳の組織がスポンジ状になる牛の病気。BSE感染牛を原料とした肉骨粉などの資料が原因と考えられる。日本では2001年9月以降、BSE感染牛が相次いで確認されている。米国ではワシントン州で03年12月に感染牛が見つかり、日本は米国産牛肉の輸入を禁止している。(共同)

平成17年6月25日 静岡新聞
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鶏に薬乱用 人間に効果なし???
鳥インフルエンザで中国 ウイルス、耐性獲得か


【ワシントン共同】
中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行るのを抑えるため、人の治療に使う「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントンポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。

 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。

 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がある。

 同紙によると、中国は昨年2月に初めて鳥インフルエンザの発生を発表したが、実際は1990年代後半から鶏で流行。発生のたびに農家が地元企業から購入したアマンタジンを飲み水に混ぜるなどして鶏に与えていた。

アマンタジン・・・インフルエンザとパーキンソン病の治療薬。A型インフルエンザウイルスが細胞に感染するためのタンパク質の機能を阻害する。国立感染症研究所は2004年1月、アジアで流行していた鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)二感染したベトナムの患者からウイルスを分離し、塩基配列を調べた結果、アマンタジンに耐性を持っている可能性があると報告していた。

平成17年6月19日 静岡新聞
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40歳女性 7人に1人貧血
厚労相研究班が検診データを分析  ダイエットで鉄不足

 食事の鉄分不足などが原因で、40代(41-50歳)の女性の7人に1人、30代の女性も10人に1人が貧血であることが、14日、厚生労働省研究班による約11万3000人分の健康診断データの分析で分かった。

 ダイエットブームの影響もあって1990年代から女性の貧血は増えており、研究班主任の高橋孝喜・東大医学部教授は「潜在的な患者の実態を示す貴重なデータ。貧血を知らずに、めまいや冷え性など貧血症状に悩んでいる女性は多いのではないか。身近な病気と知って鉄分摂取を心掛けてほしい」としている。

 調査は、西日本の一ヶ所の健診機関で昨年までの5年間に健康診断を受けた計約11万3000人分のデータを匿名で提供してもらい、血液検査結果などを分析した。
血液100ミリリットルあたりのヘモクロビン値について男性は12グラム未満、女性は11グラム未満の場合を貧血と定義。女性は全体の7.0%、男性は0.8%が貧血だった。

 女性の年代別では、40代に13.9%をピークに30代9.8%や20代4.5%が多く、閉経後の50代以降の割合が減っていた。貧血の女性は、他の女性に比べて栄養状態を示すアルブミン値が低く、栄養不足をうかがえた。
研究班の別グループは1976-2001年の国民栄養調査を分析。女性の平均ヘモグロビン値は1990年前半まで上昇したが、その後減少に転じ、男性も減少傾向になっていた。

 健康診断では10代や70歳以上のデータが少なく、高橋教授は「やせ志向の強い10代女性の貧血も実態把握が必要だ」としている。

21-30歳
31-40歳
41-50歳
51-60歳
61-70歳
4.5%
9.8%
13.9%
2.9%
2.0%
平成17年6月15日 静岡新聞
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90歳以上100万人突破
05年白書 五人に1人が65歳超

 政府は3日午前の閣議で、高齢化の現状や対策をまとめた2005年版高齢社会白書を決定した。65歳以上の高齢者人口は2488万人(昨年10月1日現在)で、総人口に占める割合は前年より0.5ポイント上昇して19.5%に達し、過去最高だった前年を更新。90歳以上は101万6000人となり初めて100万人を突破、100歳以上も2万3000人を超えた。

 白書は、少子高齢化で労働人口の減少が予想される一方、07年には「団塊の世代」が60歳に達し始める中で「国の維持するには、高齢者の能力や経験を生かせる社会の実現が不可欠」と提起。再就職や起業の支援など高齢者が働く機会を増やす施策の推進に加え、ボランティア活動を通じた社会参画を促す方針を明記した。

 04年の65歳以上の労働力人口は490万人で全体の7.4%だが、15年には724万人、全体の11.0%を占めると予測。企業を対象に実施した調査で高齢者は「技術、技能を要する作業」「対外調整、折衝」といった仕事で評価が高い一方、「創造的な発案、企画力」で評価が低い結果が出たことを踏まえ、適性にあった人材配置の体制作りを推進する必要性に言及した。

 65歳以上の高齢者がいる家庭のうち、子供t孫が同居する三世代世帯は1980年の50.1%から低下傾向が続き、03年は全体の24.1%と四世帯に一軒の割合になった。同居しているかどうかに関わらず、一歳半の孫を持つ祖父母のうち、日常的に子育てをしているのは祖母が26.1%、祖父が10.6%との調査結果も紹介した。

平成17年6月3日 静岡新聞
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鳥インフルエンザ
中国・青海で発生確認

【北京21日時事】
新華社電によると、中国農業省21日、青海省海北チベット族自治州剛察県野村で死んだ渡り鳥から、鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生を確認したと発表した。中国で鳥インフルエンザが確認されたのは昨年7月以来。青海省当局は鳥インフルエンザの発生現場を封鎖するとともに、消毒を実施。人間と野生の鳥などの接触を防止する措置も取った。今のところ人間への感染は発生していない。

 国営メディアは14日、剛察県付近の青海湖で今月2日からインドがんが相次ぎ異常な状態で死んでいるのが発見され10日までに170羽が死亡したと報じていた。

 今回の鳥インフルエンザで死んだ渡り鳥の数や種類などは不明。ただ、農業省は青海省農牧庁から報告を受けたとしたおり、青海湖で死んだガンが感染していた可能性が高いとみられる。

平成17年5月22日 静岡新聞
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加齢に伴う現象確認
目の視細胞保護物質「ルテイン」

浜医大研究グループ
 目の重要な視細胞(黄斑部)を保護する抗酸化物質ルテインは老化に伴い減少する。浜松医大光量子医学研究センターのグループが、日本人でも老化に伴って黄斑部のルテインの量が減少していることを初めて明らかにした。ルテイン現象が失明を引き起こすとされる。30日から米国・フロリダで開かれる視覚及び眼科に関する研究会議で発表される。

 目の内側の網膜のほぼ中心に位置する「黄斑部」は、視覚のための重要な視細胞が集中している。黄斑部を保護する黄色色素ルテインは、有害な紫外線などを遮断する役割を果たしているが、米国の研究で老化に伴い黄斑部に傷害がおきるとされる。この症状を加齢黄斑変性症と呼び、まわりは見えても、肝心のみたいところが見えなくなり、失明する。

 現在、米国では55歳以上の失明原因のトップを占める。瞳の色など違う日本人だが、食事の欧米化、大気汚染、有害光線の増加などで黄斑変性症は急増している。最新の「光線力学療法」などが行われているが、進行をとめることは出来ても有効な治療法はない、とされる。

 このため、浜松医大光量子医学研究センターの客員教授尾花明・聖隷浜松病院眼科部長、平光忠久名誉教授らのグループが2年前に日本人について、黄斑変性症とルテインの関係明らかにする研究に着手。国内には一台しかないラマン共鳴分光法と呼ばれる測定器を使って、これまでに健常人52人についてルテイン量を調べた。米国での研究はあったが、瞳の黒い日本人については世界初めての調査研究。

 ルテインは体内で生成することができないため、ルテインを含むホウレンソウ、ブロッコリーなど緑黄色野菜などから摂取している。尾花教授は「老化に伴いルテイン量が減少していくことが分かった。今後、黄斑変性症の患者のルテイン量を調査、さらに予防、治療研究を進めていく」と話している。

平成17年5月3日 静岡新聞
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脳細胞の新生阻害
トラウマ マウスで実証

 トラウマ(心的外傷)を残す激しいストレスを経験した場合、脳で新しく作られる神経細胞の数が、ストレスを受けてから一定期間後に激減することが6日までに、金沢大学薬学部の米田幸雄教授(神経化学)のマウスを使った実験で分かった。米田教授は「心的外傷後ストレス障害(PTSD)が動物の脳で神経細胞の新生を阻害することを実証したのは世界的に珍しい」と話している。

 人間でもPTSDの患者には脳の記憶をつかさどる「海馬」が萎縮する症例が多いことが知られており、米田教授は「今後、人間の脳の萎縮との関係についても追求したい」としている。

 米田教授は、マウスを狭いおりに入れ、メトロノームの音を聞かせながら三時間水に浸すストレスを与え、脳の変化を分析。実験後、マウスの海馬で作られる細胞の数が穏やかに減っていき、5日後に急激に減少した。その後、新生する細胞の数は回復し、14日後に元の水準に戻ったが、マウスは約二ヶ月間、メトロノームの音を聞かせると「フラッシュバック」が起き、おびえたような様子で動かなくなる状態が続いた。実験後、再度水中に入れると静止状態になった上、その時点から5日後、新生する細胞の数が再び激減した。

平成17年5月7日 静岡新聞
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紫外線は有害 皮膚老化や白内障招く
日焼けきっちりガード

日差しが強くなってきた。自然の中で思いっきり体を動かしたい季節だが、日焼けはくれぐれも気をつけたい。日焼けの原因となる紫外線が皮膚の老化を促し、皮膚がんになる率を高めることは、もう常識。免疫力も低下し、白内障の一因にもなる。年齢や性別に関係なく、有害なのだ。

 紫外線は皮膚の細胞のDNAを傷つけ、生命活動の基本となるタンパク質を合成するための暗号の一部を変える。ただ細胞にはこうした傷を修復する機能があり、ほとんどの場合、元に直る。

 しかし、傷が多すぎると、修復できない部分が残る。すると細胞分裂でDNAが複製される際、間違ったままの暗号がコピーされてしまう。これが皮膚のシミや皮膚がんの原因となるのだ。

子供には特に危険
 紫外線は特に子供によくない、と大阪市北区にあるサンクリニックの市橋正光院長(神戸大名誉教授)は警告する。
「体をつくる細胞の数は子供が約3兆個で、大人は約60兆個。子供の体では細胞分裂が盛んなので、遺伝子を狙うDNAが傷つくと、傷を持ったまま細胞が分裂する機会が増えてしまう。」
「小麦色の肌は健康の証し」という思い込みは根強い。世界保健機関(WHO)は3月、18歳未満は日焼けサロン利用を避けるよう勧告した。

 WHOの推計では、1年間に世界中で6万6千人が皮膚がんで死亡し、13万2千円が皮膚がんの一種である悪性黒色腫にかかっている。悪性黒色腫の発生率は北欧で45年前の3倍、米国で30年前の2倍に急増。背景には焼けた肌への憧れや日焼けサロン利用の普及があるという。

 市橋院長は「骨粗鬆症世ぼには公園で座って日光を浴びるのがいいという迷信もある。しかしその必要はない。予防に必要なビタミンDは確かに紫外線で合成されるが、実際には食べ物で十分取れている。お年よりはDNAの傷を治す能力が低いので、注意すべきだ。」と語る。

手軽な測定器も
 日焼け防止にはサンスクリーン剤(日焼け止め)が有効だ。しかし利用を阻む壁もある。「日本のプールでは水が汚れるから塗ってはいけないといわれる。オーストラリアでは逆に、塗らないと入れてもらいないのだが。」(市橋院長)
 
 紫外線強度にも注意したい。気象庁は5月から各地の強度予測や、札幌市、茨城県つくば市、那覇市での測定結果をWHOが定めた紫外線強度の指標である「UVインデックス」で公表。手軽でおしゃれな紫外線測定器もデビュー。株式会社ジオ(東京都渋谷区)が企画・開発したストップウォッチ型の「UV−MONI」で、UVインデックスとともに強度の数値も表示する。

 扇谷諭社長は「医療用測定器ほどの精度はないが、微妙な数値の違いが分かるように工夫した。操作は簡単なので機械が苦手な人にもぜひ使ってもらいたい。」と語る。

 現在は愛知万博(愛・地球博)の三井・東芝館で協賛価格3680円で販売中。問合せは販売元のアーキウェブ<電03-3568-3055>へ。

平成17年5月2日 静岡新聞
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昼夜交代勤務
前立腺がん3.5倍、心疾患死亡2.8倍

 24時間操業の工場や鉄道、ホテルなどの交代制職場で働く男性は、主に昼間働く日勤職場の男性に比べ、前立腺がんになる危険性が3.5倍、心筋梗塞などの虚血性心疾患で死亡する危険性が2.8倍高いことが、文部科学省が補助する大規模疫学研究(運営委員長・玉腰暁子名古屋大助教授)の分析で2日までに分かった。

 不規則な勤務による体内時計の乱れが関与していると考えられ、虚血性心疾患は血圧上昇やストレスも原因とみられる。

 厚生労働省の調査では、午後10時以降の深夜に従事する労働者がいる事業所は2割に上り、うち半数が交代勤務を導入。研究者らは「前立腺がん検診の導入や、循環器病の危険因子を持っている人の適正配置など、労働管理の在り方を考えるべきだ」と話している。

 一般の人を追跡する大規模疫学調査で交代勤務の健康影響を示した研究は少なく、前立腺がんの報告は世界初という。1988年から99年にかけて健康状態を追跡した全国約11万インのデータを利用。産業医大臨床疫学教室の久保達彦医師らは、がん罹患調査が行われた地域の男性労働者約1万6千人(40-79歳)を分析した。

 55人に前立腺がんが新たに見つかり、年齢などを統計的に調査した結果、交代勤務者は、日勤者に比べ前立腺がんになる危険性が3.5倍高いことが分かった。福岡労働衛生研究所の藤野善久医師が、40-59歳の男性約1万8千人を分析したところ、虚血性心疾患による死亡の危険性は、2.8倍と判明。循環器病危険因子を持っている場合は危険性はさらに高まり、高血圧だと6.5倍、喫煙者は3.1倍、習慣的飲酒者は3.6倍、体格指数(BMI)が25以上の肥満では6.1倍だった。

平成17年5月2日 静岡新聞
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健康食品、効果教えます
国立栄養研 製品ごとHPで掲載

 国立健康・栄養研究所は30日までに、健康食品の中で一定の科学的根拠があると国が認めた「特定保健用食品」について、効果的な食べ方や実験データなどを製品ごとまとめ、ホームページに掲載した。

 特定保健用食品は3月末現在、493品目が許可・認定されているが、店頭や商品は「血圧が高めの方に」など簡単な表示だけのため、どういう作用が起こるのか専門家でも分かりにくいと指摘されていた。

 メーカーが用意したデータを同研究所が指導した上で掲載。商品名、写真、連絡先、一日の摂取目安量といった一般向けのほか、動物・ヒト実験結果といった専門的な内容も含み、184品目が閲覧可能だ。

 例えば、「血糖値が気になる方に」とうたう食物繊維入りの清涼飲料水の場合、適切な飲み方は「食事の際に200ミリリットルを飲む」。人間や動物への実験は食事と同時に飲んだときの結果しか明らかにしておらず、空腹時の効果は定かではない。糖尿病の疑いがある場合は医師に相談した上で飲むように呼びかけている。
HPのアドレスはhttp://hfnet.nih.go.jp/contents/sp_health.php

※特定保健用食品
国は一定要件を満たす健康食品を「保健機能食品」と認め@有効性や安全性を個別に審査され、承認・許可された「特定保健用食品」A規格基準を満たせば審査が不要な「栄養機能食品」--がある。特定保健用食品は、血圧、血中のコレステロールを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えるのに役立つなど、特定の保健のために利用される食品で、認可されれば「コレステロールが高めの方に」「虫歯の原因になりにくい」などと表示することができる。

平成17年4月30日 静岡新聞
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日本また長寿世界一
WHO報告 女性85歳、男性78歳

【ジュネーブ7日共同】
 世界保健機構(WHO)が七日発表した2005年版の「世界保健報告」によると、平均寿命が世界で一番長い国は日本で82歳だった。男女別では、日本とモナコの女性が85歳で最長寿。男性も、日本はスイスやスウェーデンなどと並び78歳で最長寿だった。日本は前年版報告に続き世界最長寿国。

 調査は03年に実施。平均寿命は世界192ヶ国中、80歳以上だったのはフランスとスペインに挟まれた小国アンドラやオーストラリアなど13ヶ国だった。だが、アフリカの26ヶ国とアフガニスタンの計27ヶ国は50歳未満だった。最も平均寿命が短いのはスワジランドの35歳。

 今年の世界保健報告は「すべての母子を大切に」をタイトルに、乳幼児と、妊娠や出産に伴う女性の死亡率を低下させる必要性を強調している。
特に南部アフリカ諸国では、現状のままだと「5歳未満の子どもの死亡率を2015年までに3分の1に下げる」とした2000年の国連ミレニアム開発目標が150年かかっても達成できないとして、各国政府の取組強化を求めている。

世界の平均寿命(WHO「世界保健報告」による
平均寿命の長い国
平均寿命の短い国
82歳

日本

35歳

スワジランド

81歳

アンドラ

36歳

ボツワナ

オーストラリア

ジンバブエ

イタリア

シエラレオネ

モナコ

レソト

スウェーデン

ザンビア

スイス

アンゴラ

80歳

カナダ

リベリア

フランス

ニジェール

アイスランド

アフガニスタン

イスラエル

ブルンジ

シンガポール

中央アフリカ

スペイン

マラウイ

平成17年4月7日 静岡新聞
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透析患者3万人が感染
全国腎臓病協議会が推計

 腎臓病で人工透析を受けている全国約25万人のうち、推定で3万人余りがC型肝炎ウイルス(HCV)に現在感染しているか感染歴があるとの調査結果を全国腎臓病協議会が4日、C型肝炎に関する厚生労働省の専門家会議で報告した。

 透析歴が長いほど感染率は高く、25年以上の長期透析者では53%。感染原因は、ウイルス検査法が確立される前の、腎性貧血治療の為の輸血や、透析室での院内感染が関係している可能性もあるとしている。

 同協議会などでは2001年10月、全国の透析患者から抽出した8549人にアンケートし、13%に当る1142人でHCV感染歴が判明。03年末の透析患者約25万人にこの割合を当てはめ、感染は3万人余りと推計した。

 C型肝炎は慢性化すると肝硬変や肺がんへ進行しやすく、同協議会では「(診療などで)適切な対応を」と要望した。

平成17年4月4日 静岡新聞
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日焼けサロン”18禁”に
WHO勧告「皮膚がんの危険性増加」

【ジュネーブ17日共同】

世界保健機関(WHO)は17日、日焼けサロンなどで使われる紫外線ランプで人工的に日焼けの状態を作ると、皮膚がんになる危険性が高まるとして、特に18歳未満の若者は日焼けサロンなどの利用を絶対に避けるよう勧告した。

 WHOによると、世界中で年間13万2000人が皮膚がんの一種である悪性黒色腫にかかり、6万6000人が皮膚がんで死亡していると推計される。

平成17年3月18日 静岡新聞

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花粉症 最悪シーズン
当たり年 飛散2-3倍 半世紀は被害拡大か

花粉症のシーズンがやってきた。花粉の飛散量は昨春の15-30倍、例年の2-3倍と予測され、最悪だった1995年を上回りそう。花粉症の大流行は確実で薬品など関連商品の売れ行きは好調だ。厚生労働省も相談窓口を設けるなど異例の緊急対策を取る構え。花粉飛散を食い止める効果的な方法はなく、専門家は「今世紀半ばまで被害は拡大する」と警告する。

昨夏の猛暑で成長
 花粉予測を発表しているNPO法人、花粉情報協会(理事長・佐橋紀男東邦大教授)によると、今年は大量の花粉が爆発的に飛散し始め、花粉が多い状態のまま5月の連休頃まで続く見通し。

 原因は昨年夏の記録的な猛暑だ。高温で雨が少なく、日差しをたくさん浴びたスギやヒノキの花芽は例年以上に成長し、花粉量が増加。飛散量の多い年と少ない年は交互にくる傾向があり、昨年は少なかったので今年は”当たり年”である。 関東地方ではスギ花粉のほかにヒノキ花粉が増えそうだ。北海道のシラカバ花粉も例年並からやや多めに。

 同協会の最新予測では、一シーズンで一平方センチメートルの面積に積もる花粉の量は坂戸(埼玉県)で約2万個を筆頭に、宮城で約5千個、東京都心部で約6千百個、大阪で約6千百個など、全国的に非常に多い。

 「東京では元日以降の最高気温の積算が400度になると本格的に飛散が始まる。今年は23区で既に200度を超えた」と同協会の村山貢司理事。北関東から東海、近畿、山陽、四国、九州にかけての本格的な飛散開始は、ほぼ例年並の2月20日ごろという。

平成17年1月23日 静岡新聞

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体重、肝脂肪の増加抑制 イヌリン
フジ日本精糖と県立大共同研究米誌掲載へ

 県立大薬学部とフジ日本精糖が共同で進めている水溶性食物繊維「イヌリン」の生理機能への有用性研究が、米国化学会発行の食品化学学術雑誌に掲載されることが決まった。共同研究ではイヌリン添加食で飼育した実験動物のダイエット効果や脂肪肝の増悪か抑制が認められているという。同社は健康補助食品として販路拡大を目指し、特定保健用食品規格の臨床実験に着手した。

 イヌリンは多糖類の一種。人の大腸でビフィズス菌など「善玉菌」増殖に利用される。整腸作用のほか血中脂質低減、血糖上昇抑制作用などもあるとされる。食感は脂肪と似ていて食品の渋みなどを軽減、口当たりを良くする効果がある。同社は砂糖から合成酵素を用いて生成する製造方法を確立。静岡市の清水工場で生産している。

 天然由来のイヌリンより組成が均質で食品素材として利用しやすく、これまでは主に食感を良くする目的で焼き菓子、練り製品、めん類などで採用されている。12月は液糖タイプも発売した。

 健康補助食品の有用性証明に向けた共同研究は同大大学院の三輪匡男薬学研究科長と2年前から進めている。イヌリン添加の高脂肪食による動物実験では体重増加に明らかに差異があった。ボランティアによるヒト介入試験では血糖値の20%低減が認められたという。

 論文掲載が決まった雑誌は世界の食品化学界で注目度が高い研究誌。三輪教授は「酵素生産のイヌリンが学術的にも、かなりインパクトがあると認められた」とし、成人病予防効果がある素材としての知名度向上を期待している。

平成17年1月14日 静岡新聞

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炎症臓器に蓄積
BSE原因 マウス実験で確認

 慢性的な炎症を起こしているマウスでは、牛海綿状脳症(BSE)などの原因となる異常プリオンが、通常は検出されない肝臓や腎臓、膵臓(すいぞう)にも比較的高濃度に蓄積され感染性も持っていることを、スイスのチューリッヒ大などのグループが突き止め、21日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 BSE対策では、異常プリオンが蓄積する脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位の除去が極めて重要とされる。グループは、炎症を起こす病気にかかった牛では、特定危険部位以外の臓器でも異常プリオンが蓄積する可能性があるとしている。

 グループは、異常プリオンがリンパ球などの免疫細胞を介して広がる点に着目。自己免疫性糖尿病など五種類の炎症性疾患にかかって、慢性の肝炎や膵炎を起こしているマウスに異常プリオンを感染させ、通常はプリオンが存在しない肝臓、膵臓、腎臓を調べた。

 感染後に脳などの中枢神経で異常プリオンが検出される230日前後より100日以上早い段階で、各臓器から異常プリオンが検出された。国立精神・神経センターの金子清俊疾病病研究第7部長「慢性の炎症は外から見ても分からないことがある。そのまま牛や羊に当てはまるかどうかは検討を要するが、食品の安全を考える上で重要な発見だ」と話している。

平成17年1月21日 静岡新聞


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ノロウイルスに注意
排泄物感染源に、冬がピーク、手洗い徹底

全国の高齢者施設などで発症が相次いでいるノロウイルスについて、その感染のしくみや予防法を厚生労働省などの専門家にきいた。

症状・・・国立感染症研究所の谷口清州室長によると、ノロウイルスに感染すると、消化器官の粘膜がつぶされて水分を吸収できなくなり、あふれた水分が嘔吐や下痢になって排泄される。症状は、吐き気や腹痛、軽い発熱をともなうこともあるが、60時間程度で治癒し後遺症はないという。

感染すると抗体が作られ、6-8ヶ月は維持することは分かっているが、免疫となるかどうかは分かっておらず、ワクチンはない。

 感染したら、脱水防止のために水分補給を心がける。広島県福山市で7人が死亡したケースのように高齢者は脱水症状に陥ると危険なので、嘔吐がひどくて、水を飲めない場合は、点滴を受けるなどの処置が必要となる。

感染経路・・・ノロウイルスは、人の腸内で繁殖し、排泄物とともに川や海に流れ、カキなどに蓄積されることがある。これを食べることで再び人体に入る循環を繰り返す。感染力が強いので、飛沫などに触れるだけで、人から人へ感染することもある。

 米国での実験では、感染しても2-3割の人は症状がでなかった。ノロウイルスを含むカキを食べて食中毒のような症状を起こす、いわゆる「カキにあたる」人もいる。冬場に感染者が増え、1.2月をピークに、3月から徐々に減る傾向にある。

 ノロウイルスの検出方法が普及し、統計をとっている米国では推計で年間約2300万人が感染し、約5万人が入院。死亡者は310人で死亡率は0.001%とごくわずかだ。

予防・・・日本でも、統計に表れないだけでかなりの人が感染しているとみられるという。診察を受け「お腹が痛くなる風邪」「胃腸炎」と言われるケースにも、ノロウイルス感染が含まれていると見られる。家庭や学校、老人ホームなどでの集団感染も珍しいことではない。

「食品はよく加熱してから食べることが大切」と谷口室長。例えば、「加熱加工用カキ」は生で食べずに、十分火を通すことが必要。食品の中心温度85度以上で1分間以上加熱すれば、ノロウイルスの感染性はほとんどなくなるとされている。

 トイレやおむつ交換の後に、手を洗わずにドアノブに触ったり、調理したりすれば感染の危険性が高まる。谷口室長は「手をていねいに洗って欲しい」と呼びかけている。

平成17年1月17日 静岡新聞

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