厚生労働省は18日、中国製ギョーザ中毒事件に関連し、自主回収対象の中国製冷凍食品を食べ体調不良になったと訴えた全国の約5千人につてい、医療機関で診察を受けた約900人を中心に詳しい実態調査をすることを決めた。同日開かれた薬事・食品衛生審議会の分科会で報告し、了承された。
分科会では、食品の輸入販売業者に対し、健康被害や食中毒の情報が寄せられた場合は速やかに保健所に報告するよう新たに義務付けるなどの再発防止策も報告された。
同省によると、これまで体調不良の訴えについては、保健所を通じた数の集計だけで、詳しい調査はしていなかった。今後、保健所がすでに聞き取った食べ物の摂取状況、どのような症状、検査に基づいて診断されたかなどの情報を集め、被害の実態を把握する方針。
また、すでに有機リン系中毒と認められた千葉、兵庫両県の3家族10人については、症状や後遺症などについて詳しく調査士、医療現場での対応などに役立てる。
一方、報告制度については、これまで医療機関が食中毒、または、食中毒と疑われる患者を診察した場合には保健所に報告する義務があったが、業者にはなかった。
ジクロルボス しめさばから検出
香川の業者仕入れ 中国で加工、製造
香川県さぬき市の食品加工販売業「香西物産」が仕入れたデンマーク産サバの加工品から、有機リン系殺虫剤のジクロルボスが検出されたことが18日わかった。サバは中国山東省威海市の食品会社の工場で加工、製造されていた。
健康被害の報告はないというが、香西物産は同工場で製造された全十九品目の販売中止と自主回収を決定。輸入元の「神港魚類」(神戸市)とともに原因調査を始めた。
検出されたのは、昨年6月5日に製造された冷凍真空パック「炙りトロ〆鯖スライス」(200グラム入り)。香西物産が中国側に製造委託し、同年春以降、回転寿司など全国の外食チェーン店に7万パック以上販売。同じ製造日の製品は大半は消費済みという。
今月上旬、新規商談先の依頼に基づき、香西物産が在庫2パックを自主検査。その結果、残留農薬に関する一律の基準の14倍に相当するジクロルボス0.14ppmが検出された。
ただ県は、「最大摂取許容量の3分の1程度で健康被害はないと考えられる」としている。 |