健康情報
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糖尿病予備軍含め2210万人
07年厚労相調査 成人、10年で1.6倍

 糖尿病の疑いがある成人が推計で2210万人に上ることが25日、厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」で分かった。患者だけでなく予備軍も含まれる。1997年から10年間で1.6倍となり、4.7人に一人となる計算。06年調査と比べ、340万人の大幅増となった。

 国民の間で生活習慣病の危険が急速に広がっている実態が浮き彫りになったかたちで、厚労相は「食生活の乱れや、運動不足がなかなか改善されていないのが大きな原因」(生活習慣病対策室)としている。

 調査は、07年11月無造作に抽出した約6000世帯を対象に実施。回答者のうち、成人男女計約4000人の血液検査結果などを基に推計した。

 糖尿病の診断指標のひとつ、血糖の状態を示すヘモグロビンA1cの濃度(正常値は5.6%未満)が6.1%以上の「糖尿病が強く疑われる人」が約890万人(前年約820万人)。5.6%以上6.1%未満の「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1320万人(同1050万)」で、あわせて、約2210万人に上った。

 年代別の人口に占める割合は70歳以上が37.6%で最も多く、60代35.5%、50代27.3%、40代15.3%、30代6%と続いた。

平成20年12月26日 静岡新聞

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70歳以上2000万人以上突破
高齢者人口22% 総務省推計過去最高を更新

 「敬老の日」にちなみ総務省が14日発表した統計調査によると、15日時点で推計した65歳以上の高齢者人口は昨年より76万人増の2819万人、総人口に占める割合は0.6%ポイント増の22.1%となり、ともに過去最高を更新した。70歳以上は57万人増の2017万人で、はじめて2000万を超した。

 高齢者人口は2005年の国勢調査に基づいて推計したもので、65歳以上の男女別は、男性1203万人(男性人口の19.3%)、女性1616万人(女性人口の24.7%)だった。

 年齢別の分類では、75歳以上は752万人。80歳以上では男性251万人に対し、女性は500万人とほぼ2倍になっている。

 同省が人口の推計に合わせてまとめた高齢者の就業状況によれば、65-74歳のうち働いている人の割合(有業率、07年10月1日時点)は32.2%と02年より1.1ポイントアップ。都道府県別では長野43.7%、福井40.1%、山梨39.9%、がトップスリーで静岡は37.7%だった。同省は「農業のほか製造業なども盛んな地域。高齢者が働く機会が多いのではないか」とみている。

 65歳以上で企業などに勤めている人は、全国で287万人(07年)。ただ雇用形態別では、パートなどの非正規従業員が02年より45万人増の140万人と最多で、役員79万人、正規従業員68万人を大きく上回る。

平成20年9月15日 静岡新聞


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かつおだしで活性酸素消去
焼津水産科学が効果確認

 焼津水産化学工業は22日、「鰹だし」に活性酸素を消去する働きがあることを初めて確認したと発表した。活性酸素を消去する物質としてはビタミンCなどがあるが、同社は「鰹だしという日常使われる食材に消去効果のあることが確認できたことが大きい」としている。

 活性酸素酸素分子が活性化した状態の物質で、反応性が高いためにがんや心臓疾患などの原因になるといわれている。

 同社は2007年9月に鰹節から作った「鰹だし」に食品の酸化を抑える抗酸化力があることを突き止めた。

 今回は、この研究を更に掘り下げた。実験に使った「鰹だし」は焼津産の「荒節」から取った。鰹節と水の割合を1対20とし、日常の家庭で使われる「鰹だし」とほぼ同じ濃度にした。

 この鰹だしと代表的な活性酸素のスーパーオキシドアニオン、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、ペルオキシラジカルの四種類をそれぞれ試験管に入れて混合。その結果、鰹だしには四種類すべての活性酸素に対して消去効果のあることが分かった。

 特にペルオキシラジカルは鰹だし0.1%の濃度で半分に消去することが判明し、一重項酸素も0.2%の濃度で半分に消去できた。

 さらに鰹だしに多く含まれている成分で、アミノ酸系物質のアンセリンとヒスチジンはヒドロキシラジカル、クレアチニンにはスーパーオキシドアニオンにそれぞれ消去効果の強いことを確認した。

 29日から名古屋市で開かれる2008年度日本調理科学会で発表する。

平成20年8月28日 静岡新聞


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新型インフル 全国民分ワクチン確保
与党提言 半年以内、子ども優先

 新型インフルエンザ対策を検討してきた与党プロジェクトチーム(座長・川崎二郎元厚生労働相)は、20日、新型発生後、半年以内に全国民分のワクチンを供給することや、タミフルをはじめとする治療薬の備蓄倍増などの強化策を、提言として公表した。政府の「骨太の方針」や、近く改定される新型対策の行動計画に反映させる。

 ワクチン接種では、重症化の恐れが大きいとされる子どもを優先させる方針をうち出したほか、搬送や医療での自衛隊活用を明記した。

 新型発生後に原因ウイルスを基に製造する「パンデミックワクチン」は、鶏卵を使う従来法では全国民分の製造に約1年半かかるとされていた。提言は、細胞培養という新技術の導入などでこれを半年以内に短縮する態勢をつくるとした。

 また、段階的に製造が進むワクチンを接種する際の優先順位をめぐっては、医師や警告、ライフライン関係者や、感染率が高い地域の住人と並び、鳥インフルエンザ感染で重症化の恐れが大きいとされる、子どもなど若年層の優先を打ち出した。

 これとは別に、鳥インフルエンザウイルスを基に製造、国が約2000万人分を備蓄している「プレパンデミック(大流行前)ワクチン」については、絶対量に限りがあることから、接種の優先順位を「国民的議論も踏まえ速やかに検討し、具体化する」よう国に求めた。

 治療薬の備蓄量は、現在は人口の23%程度だが、段階的に英国やフランスなどに近い40-50%に倍増させることにした。

 自衛隊関連では在外邦人の帰国に自衛隊機や艦船利用を挙げ、自衛隊病院の活用や物資搬送など役割を例示。海上保安庁の巡視船も活用する。

 このほか、都道府県知事に大規模災害時と同様の権限を与える法整備の要否や、輸入経路の遮断を想定した食料や生活必需品の確保策などを検討課題とした。

平成20年6月21日 静岡新聞


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漁港海底に有機スズ
90年使用禁止 船塗料削りくず?

 船塗料などにかつて使われ、低濃度でも貝の生殖異常の原因になると分かったため、1990年に使用が禁止されていた有機スズ化合物が、関東や九州の小規模漁港周辺の海底などの泥に高濃度で含まれていることが、長崎大などの研究グループの29日までの調査で明らかになった。

 漁船を塗り替える簡易設備がある漁港周辺の濃度が特に高い。グループの高尾雄二長崎大准教授は「塗り替えの際、過去に塗った有機スズを含む塗料を削り、海水で洗い流していることが原因とみられる。同様の汚染が各地の漁港で起きている可能性もある」と、指摘。生物への影響を含めた詳しい調査が今後必要になりそうだ。

 問題の有機スズ化合物はトリブチルスズ(TBT)やトリフェニルスズ(TPT)など。環境省などもこれらによる海の汚染を調査してきたが、小さな漁港は対象外で、見逃されていたらしい。

 グループは、2002年-07年に福岡、佐賀、長崎、熊本、大分の九州五県の88地点、千葉、神奈川両県の41地点で、漁港や港、河口などの水底にたまった泥を採取し、有機スズ化合物の濃度を分析した。

 高尾准教授は「規定の十数年後でも高濃度で検出されたのは驚きだ。有機スズの残留性が予想以上に高いか、規制後もしばらく使用されていたなどの可能性がある」と話している。

平成20年6月30日 静岡新聞


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中国製肉まんから殺虫剤
別工場 残留農薬の可能性

 広島県と大阪市は19日、中国・山東省の工場で製造され、大阪市の業者が輸入、販売した業務用の冷凍食品「青島(チンタオ)ニラ肉まん」の具や皮から少量の有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。一連の問題発覚後、天洋食品製以外の検出は初めて。

 両自治体は「原料に含まれていた残留農薬の可能性が高い」としている。肉まん全体で検出されたのは最大0.64ppmで、ニラは農産物としての残留基準値(0.3ppm)を上回る0.5ppmだった。加工過程で農薬が濃縮された可能性がある。

 直ちに健康に影響はないと見られるが、厚生労働省は19日、残留農薬の基準を上回り食品衛生法違反に当たるとして、各地の検疫所に、肉まんを製造した「山東仁木食品」から輸入する際、輸入業者に自主検査をさせるよう通知した。

 大阪市は20日にも、輸入会社の「ニッキートレーディング」(大阪市)に、同じ製造日の製品について回収命令と廃棄命令を出す。

 両社の親会社で販売元のニッキーフーズ(大阪市)によると、同じ製造日分は2500袋輸入し、広島のほか、大阪、兵庫、岡山、福岡、沖縄の食品卸売業者に販売したという。

 広島県と大阪市によると、メタミドホスが検出されたのは、山東仁木食品が2006年8月2日に製造した製品。

平成20年2月20日 静岡新聞


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花粉症に効果「べにふうき」 茶の機能性煮沸で発揮
産学官研究 五分後、70%抽出

 「メチル化カテキンをより豊富に含んだべにふうき緑茶を飲むには、茶葉を5分以上煮沸することが必要」。スギ花粉飛来のシーズンのピークを前に野菜茶業研究所(島田市)、アサヒ飲料(東京都)などの産学官共同研究チームがこのほど、べにふうき緑茶の抽出方法に関する研究成果を発表した。

 べにふうきに多く含まれるメタル化カテキンには、アレルギー症状を引き起こす体内細胞の活性化を抑制する機能があり、花粉症などのアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の炎症緩和に効果があると注目を集めている。

 実験はべにふうき緑茶の茶葉0.5グラムと温度の異なる蒸留水50ミリリットルを使ってお茶を入れ、それぞれ茶葉から抽出されたメタル化カテキン割合を測定した。

 茶葉を5分間煮沸した場合、約70%のメチル化カテキンを抽出することができたが、一般的な急須でお茶を入れる方法と同様に熱湯を注いで一分間放置した場合の抽出率は約19%で、放置時間を5分間に延ばしても、約49%だった。4度の冷水で16時間置いた状態では約14%にとどまった。

 アレルギー性鼻炎の症状緩和に必要なメチル化カテキン摂取量(一日あたり)は34ミリグラムとされ、共同研究チームは「メチル化カテキン含量1.5%の茶葉3.8グラムを400ミリリットルの水で5分以上煮沸したお茶を飲めば、摂取が可能」と算出した。

 共同研究チームの山本万里さん(野菜茶業研究所)は「ミネラルウォーターとして一部市販されている硬水を使うと、抽出率が下がるので注意が必要だ。」と付け加えた。

平成20年2月19日 静岡新聞


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中国製冷凍食品で体調不良
受診900人実態調査 厚労省方針

 厚生労働省は18日、中国製ギョーザ中毒事件に関連し、自主回収対象の中国製冷凍食品を食べ体調不良になったと訴えた全国の約5千人につてい、医療機関で診察を受けた約900人を中心に詳しい実態調査をすることを決めた。同日開かれた薬事・食品衛生審議会の分科会で報告し、了承された。

 分科会では、食品の輸入販売業者に対し、健康被害や食中毒の情報が寄せられた場合は速やかに保健所に報告するよう新たに義務付けるなどの再発防止策も報告された。 

 同省によると、これまで体調不良の訴えについては、保健所を通じた数の集計だけで、詳しい調査はしていなかった。今後、保健所がすでに聞き取った食べ物の摂取状況、どのような症状、検査に基づいて診断されたかなどの情報を集め、被害の実態を把握する方針。

 また、すでに有機リン系中毒と認められた千葉、兵庫両県の3家族10人については、症状や後遺症などについて詳しく調査士、医療現場での対応などに役立てる。

 一方、報告制度については、これまで医療機関が食中毒、または、食中毒と疑われる患者を診察した場合には保健所に報告する義務があったが、業者にはなかった。

ジクロルボス しめさばから検出
香川の業者仕入れ 中国で加工、製造

香川県さぬき市の食品加工販売業「香西物産」が仕入れたデンマーク産サバの加工品から、有機リン系殺虫剤のジクロルボスが検出されたことが18日わかった。サバは中国山東省威海市の食品会社の工場で加工、製造されていた。

 健康被害の報告はないというが、香西物産は同工場で製造された全十九品目の販売中止と自主回収を決定。輸入元の「神港魚類」(神戸市)とともに原因調査を始めた。 

 検出されたのは、昨年6月5日に製造された冷凍真空パック「炙りトロ〆鯖スライス」(200グラム入り)。香西物産が中国側に製造委託し、同年春以降、回転寿司など全国の外食チェーン店に7万パック以上販売。同じ製造日の製品は大半は消費済みという。

 今月上旬、新規商談先の依頼に基づき、香西物産が在庫2パックを自主検査。その結果、残留農薬に関する一律の基準の14倍に相当するジクロルボス0.14ppmが検出された。

 ただ県は、「最大摂取許容量の3分の1程度で健康被害はないと考えられる」としている。

平成20年2月19日 静岡新聞


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食品表示「信頼」は10%
農林公庫調査 偽装の影響で低下か

 消費者の役94%が食品表示を確認するものの、約10%の人しか「表示の信頼性は高い」と感じていないことが、農林漁業金融公庫が18日に発表した調査で明らかになった。相次ぐ食品偽装問題や中国からの輸入食品問題の影響で、食品表示の信頼性が揺らぐ実態が浮き彫りになった。

 調査は、中国製餃子中毒事件が発覚する前の今年1月中旬ごろに実施。全国の20-60代の男女2000人を対象にインターネットで質問した。

 調査結果によると、「食品表示を確認するか」の問いに対し、「必ず確認」(25.3%)、「おおむね確認」(49.9%)「ときどき確認」(19.2%)で、全体で94.4%が「確認している」となった。

 一方、表示の信頼性については「以前は高かったが、最近は低い」(40.9%)など84.3%が「低い」と回答。「高い」は9.6%にとどまり、相次ぐ食品偽装などの影響が色濃く出た。

 生鮮食品が安全かどうかの判断基準は、「産地が国産」(29.0%)がトップで、「色つや」、「消費期限の長さ」が続いた。国産志向は2007年7月調査(17.4%)を上回り、過去にない高水準だったという。

 加工食品の判断基準は「原料産地が国産」(23.5%)が最も多く、「添加物が少ない」が二番目だった。

平成20年2月19日 静岡新聞


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神経細胞形成に受容体関与
“DNAで記憶向上”メカニズム手がかり
金沢大のチーム解明 脳治療に応用期待

 脳の神経細胞の形成に、記憶をつかさどる海馬の細胞表面にあり外部の刺激を細胞内に伝える「受容体」が関与していることを、金沢大の山嶋哲盛准教授(57)=再生脳外科学、らがニホンザルの実験で突き止めた。さらに、重要な栄養素である不飽和脂肪酸の一種アラキドン酸(ARA)がこの受容体を刺激し細胞を活性化させることのも分かった。

 この受容体は脳とすい臓の細胞に存在するGPR40。脳での葉なら来は分かっていなかった。研究チームは、ARAヤドコサヘキサエン酸(DNA)などが記憶力を向上させるメカニズムを解明する手がかりとなり、脳疾患やうつ病の新薬開発にも役立つのではと期待している。

 山嶋准教授らによると、脳虚血になって2週間のサルの脳内の海馬では、新たに生まれたGPR40を含む神経細胞の数が、正常なサルに比べて約2倍だった。この結果について、脳虚血の脳では細胞が増え準備が整っているとし、GPR40を通じて細胞を刺激すれば記憶などが回復する可能性があると分析。GPR40を含む細胞にARAを投与すると、カルシウムイオンが最大で約2倍に上昇し、細胞が興奮していることを示した。

 同チームは、脳梗塞(こうそく)や頭部挫傷で物忘れなどの後遺症がある患者に、ARAやDHAを投与すると記憶力が改善すると報告しているが、今回の結果はこの過程にGPR40が関与している可能性が高いことを示した形だ。

 最近の研究で海馬が「そう」や「うつ」などの情動にも関係することが推測されていることから、山嶋準教授は「認知賞だけでなく、躁うつ病の治療にもつながるのでは」と話している。

平成20年1月20日 静岡新聞

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食からストレス予防
神経伝達物質GABA作用の解明
横越県立大教授に聞く

 横越県立大教授に聞く

 脳は喜怒哀楽の感情やストレスへの対応をコントロールしている。その脳も食事の影響を受けることが、最近の研究で解明されてきた。興奮を鎮める神経伝達物質GABA(ギャバ、ガンマアミノ酪酸)研究の第一人者、静岡県立大の横越英彦教授は近著「ストレスとGABA」(静岡新聞社)の中で有効性を紹介し、日常生活に役立てようと提案している。

 ギャバは動物や植物に含まれる天然のアミノ酸。食品ではトマトやジャガイモなどの野菜、発芽玄米、納豆やキムチなどの発酵食品に多く含まれる。栄養学の観点からアミノ酸の基礎研究に携わってきた横越教授は、アミノ酸が関係する神経伝達物質と脳機能についても調べている。

「美味しいものを食べればいい気分に、まずければ不快になる。しかし、脳と食品中の成分との研究は、脳が高次機能を担う臓器だからといった理由で三十年ほど前まで栄養学ではタブーだった」

 県立大へ赴任した縁で、県産物の緑茶の成分テアニンを調べたところ、心身をリラックスさせる生理機能があることが分かった。研究を通して、あまり食事の影響を受けないとされてきた脳も、敏感に受けることが分かってきた。

 「食事中のたんぱく質の量的・質的な変化に対応して脳内のたんぱく質合成が変化するほか、神経伝達物質も栄養条件の違いで容易に変化する」

 次いでテアニンとよく似たギャバの研究に着手。ギャバには、抗肥満、血圧や血中コレステロール低下といった生理作用、アレルギー予防、発ガン抑制などの免疫系作用も知られ、脳や脊髄で興奮を抑える神経伝達物質として働くことから、ストレスを和らげ気持ちをリラックスさせる作用を持つ。

 ただ、ストレスは個人差も大きく、生活レベルでのストレスに対しては科学的に十分には実証されていない。試みとしてストレス時に多く分泌される唾液中の物質クロモグラニンAを使い、満員電車に乗る前後で比較した。乗車三十分前にギャバを摂取したグループは、しなかったグループの半分以下だった。それ故、ギャバにはストレス軽減作用があるかも知れないと指摘する。さらに作用の詳細やリラックス時の集中力などの研究を進めている。

 ギャバ入りの飲料やチョコレートなど加工食品も増えてきた。「すべての食べ物には機能があり、特定の成分だけを過剰に摂取するとカラダのバランスが崩れてしまう。ストレスが大きいと感じたときに、機能性食品などで補うといいでしょう」

バランス献立で受験乗り切れ

受験生はセンター試験も目前だ。GABA・ストレス研究センター(代表・横越教授)が昨年1月、現役受験生と大学生500人を対象に受験意識調査をしたところ、七割がストレスを感じると答え、原因は、「受験そのもの」のほか、「(都心の)人ごみ」「寝坊が心配」「大学までの経路」が上位を占めた。横越教授は「ギャバを多く含む栄養バランスのよいメニューを取り、下見をして経路や所要時間、雰囲気を確認しておく。寝坊予防策を万全にし、当日は早起きを」と助言している。

平成20年1月8日 静岡新聞


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