健康情報
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睡眠不足はほろ酔い状態
集中力、判断力弱まる

 睡眠不足の子供の脳はほろ酔い状態と同様の状態にあり、寝不足が続くと他人と協調できにくくなる−。国立精神・神経センター精神保健研究所室長の白川修一郎さんが、東京都内で開かれた「ねむりフォーラム」(松下電工など主催)で、子供にとっての睡眠の重要性を力説した。

 白川さんによると、米国の研究者が睡眠不足と飲酒それぞれの条件で作業能力を比較した結果、睡眠が必要量より2時間不足したときの能力は、血中アルコール濃度が0.05%のほろ酔いと同じだった。

 ほろ酔い状態では集中力や判断力が弱まる。睡眠不足が続けば、意欲や感情、他人の心を推し量る能力などをつかさどる前頭葉の働きが鈍り、記憶力にも障害があらわれる。睡眠時間が短いと、食欲を促すホルモンが増加し、肥満にもなりやすい。

 子供の睡眠時間は米国より日本の方が短く、「恐らく世界最悪」。子供の睡眠は、接触時間の長い母親の生活習慣の影響を強く受けており、遅く寝る習慣を持つ子供を早く寝かせようとしても、挫折することが多いという。

 白川さんは@まず普段より30分早く寝かせ、定着したらさらに30分早めるA未就学の子供は最低10時間、就学児童も8時間以上の睡眠を確保するB幼い子に安心感をもたらす”就眠儀式”として、寝る前に親が本を読んであげたり、話をしてやったりする−よう訴えた。

平成18年12月26日 静岡新聞


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ぜんそく10年で倍
文科省 アトピー園児4%

喘息を患っている幼稚園児や小中学生の割合が、いずれも10年前と比べ、2倍以上に増え、過去最高を更新したことが文部科学省が2006年度に実施した学校保健統計調査(速報値)で21日、わかった。文科省は「ぜんそくだけでなくアレルギー性疾患全体が増加しているが、大気汚染や生活習慣など、さまざまな影響が考えられ、原因特定は難しい」としている。

 今回初めて調査したアトピー性皮膚炎の割合は最も高い幼稚園で3.8%。歯の噛み合わせに問題がある子供の割合は中学校が最も高く5.2%だった。

 調査は今年4月−6月、全国の幼稚園と小中学校の健康診断結果から抽出した約336万人のデータを基に実施した。

 ぜんそくの割合は幼稚園が2.4%(1996年1.0%)、小学校3.8%(同1.6%)、中学校3.0%(同1.5%)、高校1.7%(同0.8%)。

 ほぼ右肩上がりで増加しており、もっとも上昇率の高い幼稚園で10年前の2.4倍。年齢では6歳が4.2%と最も高く、以降は成長と共に低下している。

平成18年12月22日 静岡新聞


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「悪玉油」使用NY市が禁止
心臓病と関連指摘 全米初 外食大手、代替加速

【ニューヨーク5日共同】
ニューヨーク市は5日、肥満や心臓病との関連が指摘されている「トランス脂肪酸」の含有量が多い調理油や食材を、市内のすべてのレストランやファーストフード店で原則的に使用禁止にすることを決めた。保健・衛生関連の条例を改定し、2008年半ばまでの実施を義務付けた。

 トランス脂肪酸を禁止するのは、全米の都市で初めて。マクドナルドなどの大手外食チェーンも対象で、違反業者には罰金が科せられる。外食産業大手はすでに欧米や日本で大豆油など代替油に切り替える対応を始めており、日本を含めた各国でこうした動きが加速しそうだ。

 条例改正により、フライドポテトなど一部は来年7月までに、クッキーなど菓子類を含めた全商品の調理では08年7月までに、代替油への切り替えが必要になる。

 トランス脂肪酸は加工処理した植物油やマーガリンなどに多く含まれる。摂取すると血液内の悪玉コレステロール値を上昇させ、心筋梗塞(こうそく)など心臓病のリスクを高めると指摘されている。同市によると、平均的な米国人は1日平均5.8グラムを摂取、大半は外食からという。

 こうした指摘を受け、米ファーストフード大手ケンタッキーフライドチキン(KFC)は、来年4月末までに全米で代替油に切り替えることを発表している。

 ただ、完全に対応できる体制を整えているのは少数で、外食産業の業績への影響も懸念される。トランス脂肪酸の規制をめぐっては、米国が今年1月から加工食品中の含有量の表示を義務付けた。デンマークは04年からすべての食品で含有率を2%以下に制限。日本では農林水産省などがリスク管理の対象にして、有害かどうか調べている。

平成18年12月6日 静岡新聞


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2030年世界死因予測
エイズが3位に浮上(WHO)

2030年の世界の死因のトップは心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患、2位は脳梗塞などの脳血管疾患で、02年時点と変わらないが、3位には肺炎などの下部呼吸器感染症に代わり、エイズが4位から浮上するとの予測を、世界保健機関(WHO)の研究チームがまとめた。研究論文は28日、米科学誌プロス・メディシンの電子版に発表された。

 研究チームは、30年の世界の死者数を7320万人と、国連の04年予測の7400万人より低めに予測。5歳未満の幼児のの死者は02年時点からほぼ半減し、全般に平均余命が伸びるとの見通しを示した。

 高所得の先進国では、平均寿命が女性で85.0歳、男性で79.7歳となり、最長は日本人女性の88.5歳の見込み。日本の厚生労働省が今年7月に発表した05年平均寿命は85.49歳で、約3歳伸びることになる。

 死因別では30年の世界の感染症による死者数は全般に減少するが、エイズだけは02年の280万人から650万人に倍増する見込み。

 死因上位の変動をみると、胃がんが15位から10位、糖尿病が11位から7位、肺や気管などのがんが9位から6位に上がる。一方、結核は8位から23位、下痢性疾患は7位から16位と大幅に減少する。

平成18年11月28日 静岡新聞


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赤ワインやブドウ 「延命効果」あるかも?
米が合同研究 マウスの健康促進

 【ワシントン1日AFP=時事】赤ワインやブドウ、その他のフルーツに含まれる「レスベラトロル」と呼ばれる成分に延命効果。1日発行の英科学誌ネイチャーに掲載された米国のハーバード大学医学部と国立老化研究所の合同研究の結果によると、レスベラトロルがネズミの健康を促進し、寿命を延ばす働きをすることが明らかになった。レスベラトロルの効果は、以前にも虫や酵母菌などで知られていたが、哺乳類でその効果が実証されたのは初めて。

 同研究所のラファエル・ドキャボ上級研究員によると、レスベラトロルが投与されたネズミは寿命が平均15%延びたという。また、共同研究者であるハーバード大学ノデービッド・シンクレア教授(病理学)は「単に寿命が延びただけではなく、より活動的になった。」と語った。

平成18年11月3日 静岡新聞


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脂肪多くカリウム少なめ
コンビニ弁当栄養調査

 忙しい人には便利なコンビニ弁当だが、肝心の栄養はどうなのか。兵庫県立生活科学研究所が昨年、スーパーやコンビニ計12店舗で購入した19種類を調査した。

 弁当に含まれる資質は平均約212キロカロリー。生活習慣病が気になる50-60代が一日に摂取してよい脂肪分の基準とされる600キロカロリーの約35%に当たりやや多い。脂質がもっとも多かったのは豚の角煮弁当で焼く437キロカロリー、少なかったのは和風弁当で約78キロカロリー。弁当の間でも、大差があることがわかった。

 一方、塩分は平均3.5グラム。一日の摂取基準が10グラムということを考えると、やはり多めだ。中でも一見、栄養バランスの良さそうな幕の内弁当が、調査した6種類の平均で4.2グラムだった。

 厚生労働省が増やすべき栄養素としてあげてるカリウムはどうか。緑黄色野菜やバナナ、大豆などに多く含まれるカリウムは、心筋梗塞予防などの観点から、1日3500ミリグラムはとっておきたいとされる。

 だが、調査した弁当に含まれていたのは平均470ミリグラムだった。同研究所は「市販の弁当をよく利用する人は、積極的にカリウムを補充するように心掛けましょう」と呼びかけている。

平成18年10月30日 静岡新聞


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豚内臓食べ?E型肝炎
北海道4人感染 国や道、公表せず

  北海道東部に住む50-70代の男女4人が2-3月ブタやいのししの体内に存在するE型肝炎ウイルスHEVに相次いで感染し発症、一人が重い劇症肝炎で3ヶ月以上入院していたことが25日、わかった。同一飲食店や自宅で十分に加熱していない豚の内臓を食べたという。

 厚生労働省や北海道は「感染経路が特定できていない」として事実を公表せず、地元保健所は養豚場の検査もしていなかった。「食の安全」を軽視した対応に批判が出そうだ。

 北海道北見市では2004年8月、焼肉店で豚レバーなどを食べた6人がHEVに感染し、一人が死亡。今回感染した4人からは04年とほぼ同じウイルスが検出されており、解析した専門化は「近隣の養豚場などにウイルスが潜伏し続け、出荷された豚を通じて広がっている可能性がある」としている。

 厚労相などによると劇症肝炎になったのは50代の男性。2月初めに知人の50代の男性とともにホルモン料理店で食事をし、3月初めに発熱、劇症肝炎と診断された。知人も重度の急性肝炎で約一ヶ月間入院した。

 同じ料理店では、半月後に食事をした別の50代の男性にも3月下旬に黄疸(おうだん)が現れ、軽度の急性肝炎と診断された。また、豚のレバニラ炒めやホルモン焼きを食べた70代の女性が3月上旬に重度の急性肝炎と診断されたことも判明した。

 

平成18年10月26日 静岡新聞


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フライドポテト「出しません」
子供の肥満予防 米ディズニー

 【ニューヨーク16日時事】

 世界各地でテーマパークを運営する米ウォルトディズニー社は16日、園内のレストランなどで提供する子供向けのメニューに含まれる脂肪や砂糖を制限すると発表した。米国では子供の肥満が問題となっており、影響力の大きい同社が予防に乗り出した。

 今月からフライドポテトはニンジンに、炭酸飲料は果汁100%ジュースや低脂肪乳に変更する。また、ディズニーのキャラクターを使ったお菓子などの成分にも基準を設け、2008年末までに契約業者に履行を義務付けるとしており、日本を含め世界各国に影響が広がりそうだ。

 新基準によれば、子供のメニューの脂肪分は総カロリーの30%以下とし、砂糖や動脈硬化の原因とされる飽和脂肪酸は10%以下に抑える。

 フライドポテトやハンバーガーなどの高脂肪食は子供に人気だが、過剰な摂取が肥満につながるとしてマクドナルドなどの外食産業が批判されている。

 東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドによると、ディズニー社から同様の規制措置導入に関する正式な要請は今のところない。ただし、揚げ物などで発生し健康への悪影響が指摘されるトランス脂肪酸については、その生成が少ない油への切り替えなどの対策を以前から進めているという。トランス脂肪酸は今回のディズニーの規制対象にも含まれている。

平成18年10月17日 静岡新聞


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糖尿病 がんの危険度上昇
男1.27倍、女1.21倍 厚労省研究班が発表

 糖尿病と診断されたことがある人は健康な人に比べ、男性で1.27倍、女性で1.21倍がんになりやすいとの疫学調査の結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめ、米医学誌に25日発表した。

 国内の糖尿病患者は740万人以上とみられ、今後も増加が予想される。研究班は「将来のがん患者の増加につながる。喫煙や肥満、運動不足など両方の病気にかかわる生活習慣の改善が必要だ」と指摘している。

 研究班は、長野県や沖縄県などの九地域で、40-69歳の男女約10万人を1990年から最大14年間追跡。開始時に糖尿病と診断されたことがある人(男性7%、女性3%)が、どの程度がんになりやすいか調べた。

 がんになった6460人のうち糖尿病の既往歴がある人は男性366人、女性104人。既往歴があると、健康な人に比べ男性で1.27倍、女性で1.21倍がんを発症する危険度が高いことがわかった。

平成18年9月26日 静岡新聞


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緑茶 循環器疾患の死亡率低減
県内注目、PRも検討  東北大チーム4万人調査 1日5杯で効果

 東北大の栗山進一助教授らのチームが、日頃から緑茶を多く飲んでいる人は脳梗塞などの循環器疾患による死亡率が著しく低く、寿命が伸びる可能性があることを確認し、このほど米国医師会雑誌に発表した。4万人を7〜11年にわたり追跡調査した結果で、県内茶業関係者は「信頼性の高い研究で、お茶の効能が実証された」と注目している。

 滝昇吾県お茶室長は「人を対象にした研究として評価できる。緑茶はこれからも新たな発見が期待できる」とし、茶業団体はこうした効果をPRするポスターを制作する方針。

 栗山助教授らは、1994年に40-79歳だった宮城県内に住む40530人を対象に、全体的な死亡率について11年間、病気ごとの死亡原因についていは7年間にわたり追跡調査した。

 緑茶を飲む量によって4つのグループに訳、死亡率や死因を調べた結果、1日5杯以上飲む人の死亡率は、1杯未満の人に比べて男性で12%、女性で23%と共に低いことがわかった。こうした関連がより強く見られ、リスクは男性で22%、女性で31%それぞれ低下した。特に脳血管障害、中でも脳梗塞でリスク減が顕著だった。

 緑茶に含まれるポリフェノールには循環器疾患やガンに対する防御作用があるとされ、細胞レベルや動物実験での成果は報告されてきたが、人間を対象にした研究は少なかった。

 ただ、今回の研究ではガンに関してはリスク差は確認できなかったという。

 栗山助教授は、「少なくとも動脈硬化に対しては効果がある可能性が確認できた。緑茶に含まれる有効成分を特定すれば、動脈硬化の予防、治療に応用できるのでは」と見ている。

確認のワンステップ
横越英彦静岡県大教授(食品栄養科学部)の話

緑茶が血中コレステロール低下に効果があることは動物実験では分かっているが、ヒトへの効果は予測に過ぎなかった。科学的に確認する為には、大掛かりな臨床実験の結果を待たなければならない。今回の研究成果はこうした流れの一つのステップとして評価できる。

平成18年9月15日 静岡新聞


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残留農薬「ポジティブリスト制」導入3ヶ月
農産物の輸入急減 生しいたけ、国産に「割高、やむを得ず」

 残留農薬の「ポジティブリスト制度」導入から3ヶ月。国内への一部農産物の輸入が急減している。JA静岡経済連東京事務所によると、中国産の生しいたけは輸入がほぼストップし、外食産業ではメニューを変更したチェーンレストランもあるという。中国産ではウーロン茶の基準違反事例も明らかになり、制度導入を受けて減少してきた茶の輸入はさらに減りそうだ。

 厚労省は累計数を発表していないが、ホームページなどによると、各地の検疫所で判明した輸入食品の違反例は6-8月で200件を超えた(ポジティブリスト関連以外を含む)とみられる。8月には中国産しいたけのほか養殖うなぎ、ウーロン茶、にんにくの茎、タイ産のシカクマメなどで基準を超える農薬などが検出されている。

 浜松市のレストランチェーンは、トッピングやサラダに使う生しいたけを全量国産に切り替えた。「野菜はもともとすべて国産だったが、しいたけだけは中国産を使っていた。国産は3.4割ほど割高だがやむをえない。」としている。

平成18年9月6日 静岡新聞


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カツオだしに抗酸化性
焼津水産科学確認 調理科学会発表へ

 焼津水産化学工業は4日、かつお節から抽出したカツオだしに酸化を抑制し、より品質の高い食品提供につながる作用があることを確認したと発表した。具体的な研究結果は7日から岡山市の岡山県立大で開かれる日本調理科学会で発表する。

 日本の伝統的なベース調味料のカツオだしは、調理の風味を深めることから幅広く使われている。最近は抗酸化性についても注目され始めた。同社はカツオだしを使った煮物などにどのような効果があるのかを研究し、特にカツオだしの脂質酸化への影響について調べた。

 市販のかつお節厚削りから熱水抽出して高い抗酸化力のあるカツオだしをつくり、テストの対象に不飽和脂肪酸(酸化されやすい脂肪酸)の多いマイワシを選んだ。

 テストはマイワシを水で煮た場合と、カツオだしを使った場合とで比べ、TBA価(どのくらい酸化しているのかを示す数値)で、それぞれの脂肪酸化度を測定した。

 その結果、カツオだしを使った煮魚は水で調理した場合よりも酸化度合いがかなり低く、カツオだしが煮魚の脂質酸化を抑えていることがわかった。脂質酸化を抑えた結果、カツオだしを使った場合は生臭みが低く抑えられていることが確認できた。

 同社の松田秀喜調味料開発部長は「食品の脂質の酸化は風味の劣化を引き起こす。カツオだしを肉料理や野菜の煮物など、あらゆる調理に使うことで酸化することを抑制できる」と話している。

平成18年9月5日 静岡新聞


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腫瘍抑制作用を確認
マウスに経口投与 キチンオリゴ糖研究

 焼津水産化学工業は28日、北海道の新薬開発研究所とキチンオリゴ糖をマウスに経口投与する研究を行った結果、腫瘍の成長を抑制する作用(抗がん作用)があることを発見したと発表した。具体的な研究成果は日本大藤沢キャンバス(神奈川県藤沢市)で30日開かれる日本食品化学工学会で発表される。

 キチンオリゴ糖はかにやえびの殻から精製したチキンを原料に製造する。構造的にはN-アセチルグルコサミンが数個連なった形のオリゴ糖類で、同社は食品素材として生産、販売している。

 これまで血糖値上昇抑制作用、腸内環境調整作用のほか、免疫機能を活性化する作用などが報告されているという。

 共同研究は腫瘍細胞を移植したマウスにキチンオリゴ糖を1日5-6ミリグラム経口投与し、2週間後に腫瘍の重さと体重をチェックした。。その結果、どのオリゴ糖でも通常のえさを与えたマウスよりえさを与えたマウスより腫瘍の成長が強く抑えられたことがわかった。

 投与したオリゴ糖類はN-アセチルグルコサミンという混合類。同社新素材開発部は「小さなオリゴ糖にも免疫活性作用があることが明らかになったが、未解明の部分も多く、もう一段研究を深めたい」としている。

平成18年8月29日 静岡新聞


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HIV,全国で最多248人
4-6月県内は6人届け

  厚生労働省エイズ動向委員会は22日、4月から約3ヶ月間に報告されたエイズウイルス(HIV)の新規感染者は男性226人、女性22人の合計248人で、報告制度が始まった1984年以降で最多となったと発表した。静岡県内のエイズ患者・HIV感染者は計6人。

 これまでの最多は、2004年7-9月209人。動向委は「今年からはじめた6月の検査普及習慣や検査体制が整備された結果、検査件数が増え、感染者の報告数も増加したと考えられる」としている。また、新たに発症した患者は106人で04年7-9月の126人に告ぐ多さだった。

 新規感染者の感染経路は、同性間性的接触が160人と最も多く、うち152人が日本国籍の男性だった。異性感性的接触は53人、その他や不明は35人だった。年齢別では20、30代が約66%と覆いが、40代以上が前回(06年1-3月)の約22%から約31%へ増加した。

 県が22日発表した4-6月県内エイズ患者・HIV感染者の届出状況によると、エイズ患者3にんに、HIV感染者3人の計6人だった。すべて男性で、国籍は日本5人、外国1人。年齢は30代が3人、40代、50代がそれぞれ1人。感染経路は異性間の性的接触が3人。同性間2人。推定感染地域は国内5人、海外1人という。

平成18年8月23日 静岡新聞


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家のほこりに有害化学物質
臭素系ダイオキシンや有機スズ 幼児の摂取懸念

 国内の家庭やオフィスのホコリの中に、臭素系のダイオキシンや有機スズ化合物などの有害化学物質を高濃度で含むものがあるとの研究結果を、京都大と愛媛大、国立環境研究所の共同研究グループが22日まとめた。

 詳しい健康影響の評価は今後の過大だが、ホコリから臭素系ダイオキシンの推定摂取量は、ほこりを吸いやすい幼児で多く、現在主要な摂取ルートと考えられている食品からのダイオキシン類の摂取量を上回り、主要な汚染源の一つになっている可能性があるという。

 グループ酒井伸一京大環境保全センター教授は「発生源は分からないが、電化製品やコンピューターのケースなどに(製造時に混ぜ込んで)使われる臭素系の難燃剤の関連が疑われる。摂取量を減らすには掃除をこまめにしてホコリがたまらないようにすることが大切だ。」と指摘。オスロで8月に開かれるダイオキシン国際会議で発表する。グループは昨年、茨城県や京都府などで、家のほこりを19試料、オフィスのほこりを14試料を集めて分析。すべての試料から臭素を含むダイオキシン類とトリブチルスズなどの有機スズ化合物を検出した。

 培養細胞を使って検出された臭素系のダイオキシンの毒性を調べ、最も強いダイオキシンの毒性に換算すると、家のほこり1グラム当たりの毒性は38-900ヒコグラム(1ヒコグラムは1兆分の1)に相当。オフィスのほこりは同67-1400ヒコグラム相当で、欧州の牛乳や魚、肉に含まれるダイオキシン類の毒性よりも2-5桁も大きかった。

 また、乳児がほこりから摂取する臭素形ダイオキシンの推定量は、日本人が食物から摂取するダイオキシンの量に匹敵し、場合によってはそれを上回るケースがあることも分かった。

平成18年7月22日 静岡新聞


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05年平均寿命 6年ぶりマイナス 「男78.53歳、女85.49歳」
インフルエンザ影響

 日本人の2005年の平均寿命は男性が78.53歳、女性が85.49歳で、男女とも前年比で6年ぶりのマイナスとなったことが25日、厚生労働省の簡易生命表で明らかになった。インフルエンザの流行による死者数の増加が原因。

 国際比較では、女性は21年連続で長寿世界一を守ったものの、男性は前年の2位から4位に探し、32年ぶりに上位3位から外れた。女性の2位は香港、3位はスペイン、男性の1-3位は香港、アイスランド、スイスの順。

 厚労省は「(インフルエンザという)特殊要因による順位の変動はあったが、平均寿命が延びている傾向に変わりはない」としている。

 男女とも過去最高を記録した04年からマイナス幅は、男性が0.11歳、女性が0.10歳。男女差は6.96歳で04年に比べて0.01歳広がった。

 05年生まれの人が将来死亡する原因となる可能性があるのは男女ともがんがトップ。心臓病、脳卒中を加えた三大死因による将来の死亡確率は男性が56.3%、女性が54.2%で、三大死因を克服したと仮定した場合、平均寿命は男性が8.49歳延びて87.02歳に、女性が7.68歳延びて93.17歳になると見込んでいる。

 このほか05年生まれの人が将来どのくらい生きるかを試算したところ、男性では65歳まで生きる人の割合が85.6%、80歳までが55.0%。女性では65歳まで生きる人が93.1%、80歳まで生きる人が76.8%だった。

平成18年7月26日 静岡新聞


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値上げで3割が禁煙決意
1箱で500円以上ならやめる?

 たばこが7月から値上げされたことで、喫煙者の34.7%が禁煙を決意したことが、制約会社のファイザーF(東京都渋谷区)の調査で分かった。一方やめようとは思わないと答えた人のうち半数以上は「一箱500円以上になれば禁煙する」としており、欧米主要国並みに値上げすることも喫煙を減らす一計のようだ。

 調査は、東京二十三区と札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡各市に住む喫煙者のモニター調査員計700人を対象にインターネットで実施。それによると、値上げを機に禁煙を決意したのは243人で、その理由は「健康のため」(45.7%)、「お金のため」(37.0%)などが多い。

 これに対し、禁煙しないという457人のうち、46.4%が「本数を減らす」と回答。また、29.3%は今回の値上げ額を「禁煙を決意するほどではない」とする一方、55.7%は「一箱500円以上になれば禁煙する」と答えた。「価格に関係なく禁煙しない」人は14.7%だった。

平成18年7月21日 静岡新聞


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食物繊維摂取少ないと危険
大腸がんのリスク2.3倍 厚労省研究班が発表

 穀物や野菜などに含まれる食物繊維は、一日10グラムを超えて取っても大腸がんの予防効果に差は出ないが、摂取量が少ないと発症の危険性は2.3倍に高まるとの調査結果を、厚生労働省研究班が20日発表した。

 同様の結果は欧米でも出ており、適度な摂取が健康維持に大切との見方を裏付けた。厚労省は生活習慣病予防などの観点から大人で15-20グラムの目標を掲げているが、大腸がん予防だけなら10グラムで足りるかもしれないことを示した形だ。

 大谷哲也群馬大助手(公衆衛生学)ら研究班は、新潟県、大阪府など9地域で、40-69歳の男女約10万人を1990年から最大12年間を追跡。95年以降に大腸がんを発症した522人で、食生活との関連を詳しく調べた。

 食物繊維の平均摂取量は、一日15グラム程度だった。女性では、一日平均6.9グラムと少ないグループは、同20グラムのグループに比べ、発症の危険性は2.3倍高かった。男性でも同様の傾向がみられた。

平成18年7月21日 静岡新聞


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メタボリック症候群 運動、食事、禁煙で改善
対策、国もやっと本腰

 脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病につながる「メタボリック症候群」の有病者と”予備軍”が推計約2700万人に上ることが8日、明らかになった。自覚症状に乏しく、日常生活に大きな支障はないが、放置すれば個人の命にかかわるだけでなく、医療費の増大にもつながるため、厚生労働省も対策に本腰を入れ始めた。キャッチフレーズは「一に運動、二に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」だ。

 厚労省は本年度からメタボリック症候群対策の総合戦略事業を実施。早期に発見し改善するため健康診断や保健指導の見直しも進めている。

 症候群の要因となる内臓肥満、高血圧、高血糖、高脂血症は、一つ一つの値が正常値を大きく超えていなくても重複すると危険が増す。三つ以上に該当する人は、一つも該当しない人の約36倍も心疾患を発症する危険度が高いというデータもある。

 厚労省によると、高血糖などは別々に進行するのではなく「内臓脂肪が元凶の氷山のうち水面上に出た山のようなもの」。クスリで血糖値を下げても、一つの山を削るに過ぎない。氷山全体を縮小するには、運動習慣の徹底と食生活の改善、禁煙が最善策だという。

 しかし、今回の国民健康・栄養調査では、一回30分以上で週2日以上の運動習慣がある人は成人男性で約31%、女性で約26%にとどまっていることが判明。20歳未満をあわせた朝食の欠食率も約11%と増加傾向だ。

平成18年5月9日 静岡新聞


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内臓脂肪症候群1300万人
40-74歳男性 半数が有病・予備軍

 内臓脂肪型の肥満に高脂血症や高血圧、高血糖の症状が重なると、それぞれは深刻でなくても心筋梗塞や脳卒中などに進行する危険性が高まる「メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)」について、成人の有病者は約1300万人と推計されることが8日、厚生労働省の2004年国民健康・栄養調査で分かった。

 有病者一歩手前の”予備軍”も約1400万人で両方合わせると約2700万人。40−74歳では有病者が約940万人、予備軍が焼く1020万人になる。割合は中高年になるほど増加傾向を示し、40-74歳に限ると男性では2人に1人、女性では5人に1人が有病者か予備軍だった。

 メタボリック症候群の実態を国が調査したのは初めて。厚労省生活習慣病対策室は「重大な結果だ」としている。

 メタボリック症候群の調査は04年11月、無作為抽出した20歳以上の約3700人を対象に実施。腹囲(へそ周り)が「男性85センチ、女性90センチ」の基準値以上の人で?高脂血症A高血圧B高血糖--の二つ以上に該当する場合は有病者、1つに該当する場合は予備軍と定義した。

 男性の有病者は23.0%で、予備軍は22.6%。20代と30代の有病者はそれぞれ10%未満だが、40代16.5%、50代22.1%、60代27.4%、70代34.4%と年代が高くなるほど増加。40-74歳の中高年では有病者が25.7%、予備軍を含めると51.7%に上った。

平成18年5月9日 静岡新聞


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予防、治療に緑茶『有用』
活性物質の分泌増
掛川市立病院鮫島副院長研究成果を発表

 掛川市立総合病院の鮫島庸一副院長兼緑茶医療研究センター長は四日、緑茶に、脂肪組織から分泌される生理活性物質「アディポネクチン」を増加させる効果があることが証明されたとする研究成果を発表した。

 アディポネクチンは糖尿病・高血圧・動脈硬化を予防、改善し、抗炎症作用を持つ。肥満児にアディポネクチンの分泌は低下し、この低下は糖尿病・高血圧など、生活習慣病の病態基盤を形成する「メタボリック(代謝)シンドローム」の発症と関連。さらに心筋梗塞などのリスクを増すことがわかっている。鮫島副院長は、メタボリックシンドロームの予防・治療に緑茶が「安全・安心できわめて有用」である可能性に言及し、今秋の学会発表を予定する。

 鮫島副院長らは、難治性のC型慢性肝炎治療にインターフェロンと抗ウイルス経口薬、掛川産の緑茶粉末を併用する臨床研究に取り組み、これまでに、緑茶の併用に感知率を高める効果がある--との研究成果を発表している。今回は新たに、緑茶が感知率の向上に果たした役割の解明を視野に入れ、アディポネクチンに及ぼす影響について検討した。

 研究では、難治性のC型慢性肝患者24人に緑茶粉末を単独で1日6グラム、1ヶ月間内服投与した。鮫島副院長は、投与4週後でアディポネクチン濃度が増加傾向を示し、特にアディポネクチン濃度がもっとも低かった人では平均20%の顕著な増加が現れた--とし、緑茶がメタボリックシンドロームの治療にも有用である可能性が示されたと報告している。

 鮫島副院長は職場検診での拾い上げや医師会との協力により症例を集積していく必要性に触れるとともに、緑茶飲用の習慣が少ない欧米などで追試臨床研究を行うことで「さらにはっきりと緑茶の有用性が証明できる」と話している。

平成18年4月5日 静岡新聞


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ビタミンC 老化抑制作用を「確認」
老人総合研などマウス実験

 年を取るにつれ減少するため、老化の指標とされているたんぱく質「SMP30」が、ヒトやサルなどを除く哺乳(ほにゅう)類では、ビタミンCの体内合成に不可欠な酵素であることを、東京都老人総合研究所と東京医科歯科大、和歌山県立医科大などの共同研究チームが3日までに解明した。研究成果は米科学アカデミー紀要の電子版に発表される。

 SMP30は、老人総合研が1991年に発見。肝臓や腎臓、肺などの臓器にあり、SMP30を作る遺伝子を壊したマウスは通常の4倍の速さで老化が進むことがわかっていたが、具体的な動きは不明だった。老人総合研は、複数の老化指標たんぱく質を簡単に検査し、身体年齢を判定できるキットの開発に取り組んでいる。

 研究チームは、SMP30のアミノ酸配列を米国のデータベースで調べ、ビタミンCの合成酵素と推定。SMP30を作る遺伝子を壊したマウスに、ビタミンCをまったく含まないえさを与えて飼育すると、血管がもろくなり、骨の形成も悪くなる壊血病になったことから、合成酵素と結論付けた。

 ヒトの場合、SMP30とは別の酵素の遺伝子が変異しているため、体内でビタミンCを合成できない。老人総合研の石神昭人主任研究員は「SMP30のヒト体内での役割は今後解明したい。今回の実験で、ビタミンCの抗老化作用が確認された」と話している。

平成18年4月4日 静岡新聞


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1日2杯、認知症予防
緑茶 カテキン、神経細胞修復  東北大、高齢者1000人を調査

1日2杯の緑茶で認知症予防を。。
記憶力などの著しい低下を招く認知症について、緑茶に多く含まれるカテキンが高い予防効果を持つ可能性があることが4日、東北大大学院医学系研究科の栗山進一講師(公衆衛生学)の研究チームの調査で分かった。

 認知傷害は、脳の神経細胞の損傷が一因とされる。カテキンが神経細胞の損傷を防いだり、修復効果を持つのは、マウスを使った実験で判明しているが、人間でも効果が裏付けられたのは初めてという。

 栗山講師らは、2002年7-8月、仙台市内の70-86歳の男女1003人を対象に、生活習慣や認知能力などを面接調査。緑茶の摂取量を基に全体を「週3杯以下」(16.9%)、「週4-6杯または1日1杯」(10.8%)、「1日2杯以上」(72.3%)の3グループに分類した。

 認知傷害の度合いに関しては、簡単な図形を描かせたり、単語を覚えてもらうテストの成績を基に判定。緑茶摂取量との関連を調べる際には、糖尿病や高血圧、飲酒、喫煙などの要因が反映しないように調整した。

 その結果、「週3杯以下」のグループが認知傷害におちいっていた比率を「1.0」とした場合、「週4−6杯」は0.62で、「1日2杯以上」は0.4と半分以下だった。
さらに「1日2杯以上」を「1日2.3杯」「同4杯以上」に分けて比較したが、目立った差はなかった。

 栗山講師は「今後は、緑茶を飲まない海外の人を対象に、半数に新たにのみ続けてもらい、残りの半数との差を比較して調べたい」と話している。

平成18年3月4日 静岡新聞


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牛肉問題 内蔵も未承認輸出
米の加工業者ずさんさ浮き彫り

【ワシントン17日共同】
米農務省は17日発表した対日調査報告書の中で、脊柱(せきちゅう)付の牛肉を日本に輸出した米国内の加工業者が、牛の内臓と舌も未承認輸出していたことを明らかにした。
牛の内臓や舌を対日輸出する場合、牛の処理に当たって農務省から承認を受ける必要がある。日本に輸出されたものの中にはこの承認前に処理された牛の内臓などが含まれていた。日本政府側は、この内臓などは国内に流通していないとしている。

 米政府は今回の対日報告書で、問題の原因を特定の業者と検査官が規則に不慣れだった為と説明したが、ずさんな実態が改めて浮かび上がった格好だ。
 ジョハンズ農務長官は記者会見でこの事実を確認した上で、対日輸出認証を受ける前に処理された「スイートブレッド」と呼ばれる部分だったことを明らかにした。農務省の調査によると、これらの日本向けの輸出の総量は202ポンド(約91キロ)にとどまっていたため、残りは未承認と判明した。

平成18年2月18日 静岡新聞


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歩行困難20頭食用に
BSE対策米監査報告 日視検査不十分

【ワシントン8日共同】
米農務省の監査官事務所による牛海綿状脳症(BSE)対策に関する2005年監査報告書で、食肉処理施設12箇所の一部から、原因不明で歩行困難の牛計20頭が食肉処理されていたことが七日わかった。施設では処理前に牛が歩行可能かどうかを確かめる目視検査も十分実施されていなかった。

 米国でのBSE対策の信頼性が改めて揺らぐのは確実。特定危険部位の混入問題で再停止した米国産牛肉の対日輸出の再開磁器に影響を与える可能性もある。
 牛が正常に歩けない状態はBSE感染の兆候ともされ、米政府は国内で初めてBSE感染牛が見つかった直後の03年12月、食用にすることを全面禁止している。

 今月2日に公表された監査報告書によると、十二施設のうち2箇所では04年6月から約十ヶ月間、29頭が歩行困難なまま食肉処理されていた。施設の記録から、うち9頭は足のケガなどが原因と確認されたが、残る20党については「ダウナー(へたり牛)」などと記されていただけだったという。

 これらの牛は、施設到着時点での目視検査で正常と判定されたが、その後、処理されるまでの間に歩けなくなっていた。施設に常駐する農務省検査官はいったん検査にパスしたことを理由に処理前の検査を十分行わずに食肉処理を認めていた。二施設の所在地などは明らかにされていない。

平成18年2月9日 静岡新聞


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昨年6月以降相次ぐ 鳥インフルエンザ感染
茨城ワクチン説も浮上

  養鶏場関係者数十人に鳥インフルエンザ感染の可能性が判明した茨城県では昨年6月以降、約40のよう形状で鶏へのウイルス感染の確認が相次いだ。半年経った現在も、一部で鶏の移動禁止措置が継続。予防用ワクチンの違法使用が原因との説も浮上し、農水省などは制圧に向け防疫対策の強化を進めている。

 最初に感染が確認されたのは茨城県常総市の養鶏場。国内初の弱毒性ウイルス(H5N2型)だった。その後、周辺の養鶏場で次々に感染が判明し、7月下旬には県内の別の地域に”飛び火”する形に。埼玉県の養鶏場いっ施設でも感染歴を調べる抗体検査が陽性になり、茨城県小川町の二施設では12月、新たに抗体陽性反応が出た。

 農水省は、専門家を集め感染経路の究明に乗り出し、ウイルスの遺伝子の型がメキシコなど中米で流行したものと酷似していることがわかった。

平成18年1月8日 静岡新聞

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鳥インフルエンザの感染拡大
エジプトで初検出

  【カイロ18日共同】エジプト内閣報道官は17日、首都カイロや近郊の観光地ギザなど三箇所で計7羽の家禽から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたことを明らかにした。エジプトで鳥インフルエンザ感染が確認されたのは初めて。

 アフリカ大陸では西アフリカのナイジェリアでも鶏のH5N1型感染が確認されており、トルコやイラクで感染による死者を出した鳥インフルエンザが同大陸にも広がっていることが示された。

 感染が確認されたのは、カイロの4羽の他、クフ王のピラミッドやスフィンクスのあるギザの2羽と中部ミニヤーの1羽。いずれも家庭で飼育されていた。AP通信によると、国連食糧農業機関(FAO)当局者は、既に家禽の処分が始まっていることを明らかにした。

 飼い主らの検査で、人への感染は確認されていない。主要閣僚は同日、対応を協議。国営テレビは感染の疑いのある鶏を見つけた場合、当局に通報するよう呼びかけた。

平成18年2月18日 静岡新聞


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昨年6月以降相次ぐ 鳥インフルエンザ感染
茨城ワクチン説も浮上

  養鶏場関係者数十人に鳥インフルエンザ感染の可能性が判明した茨城県では昨年6月以降、約40のよう形状で鶏へのウイルス感染の確認が相次いだ。半年経った現在も、一部で鶏の移動禁止措置が継続。予防用ワクチンの違法使用が原因との説も浮上し、農水省などは制圧に向け防疫対策の強化を進めている。

 最初に感染が確認されたのは茨城県常総市の養鶏場。国内初の弱毒性ウイルス(H5N2型)だった。その後、周辺の養鶏場で次々に感染が判明し、7月下旬には県内の別の地域に”飛び火”する形に。埼玉県の養鶏場いっ施設でも感染歴を調べる抗体検査が陽性になり、茨城県小川町の二施設では12月、新たに抗体陽性反応が出た。

 農水省は、専門家を集め感染経路の究明に乗り出し、ウイルスの遺伝子の型がメキシコなど中米で流行したものと酷似していることがわかった。

平成18年1月8日 静岡新聞

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